2020年5月25日月曜日

風炉 茶入荘

風炉 茶入荘
 ■茶入荘は茶入が由緒ある品であったり、ごく軽い意味では目上の人から頂戴した品、または当日の連客より到来した茶入などをそのまま使用しないで、初座の床にあらかじめ荘ってする点前

 ■初入りの迎付けをする前に、床に軸を掛け、その茶入を、床の上座、または下座のいずれかに帛紗をを敷いて荘っておく。【※軸中央には、格別の品の他は荘らない】

 ■客は掛物を拝見してのち、茶入を手にとらないで、茶入荘であることを知り、外見のみの拝見にとどめる。



点前にかかる前の準備

水指を正面に風炉と置き合わせ
水指の蓋上の右方に茶杓(かい先上)、蓋の摘みの前には茶巾、茶筅をのせ荘る。
水指の前には、初座で床に荘付けてあった茶碗に茶入を仕組んで荘付けておく。

お菓子を運ぶ:主客の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」襖を閉める。

【点前】

茶道口に坐り、膝前に建水(蓋置と柄杓)を置き、襖を開ける。
茶道口に建水を膝前に置いて坐り、襖を閉めて左膝を立てて立ちあがる。
点前に座り(畳の中心)、建水置く。

左手で柄杓を取り構えて、右手で蓋置を出し、風炉敷板の左前角(出ず入らず)に置き、柄杓を引く(カツンポトン)。

主客総礼。

建水をすすめ、居ずまいを正す。 

水指の前の茶碗を茶入が入ったまま左手を添え、膝前少し向こうに置き、左手を茶碗に添えて右手で茶入を取り、茶碗と膝の間に置く。

仕覆の紐をとき、右手で輪を引き、横向きに置き、右手でつかり左手で打留(うちどめ)を持って引き伸ばし、左掌に乗せ、右左とぬがせる。

茶入を取り出し膝前に置く。

仕覆のつかりをそろえ、右手で右横を持ち火の方向に打ち返し、左手にのせ、右手で風炉と水指の中間の向こう寄りに置く(結び目が水指の方向くように)。

懐中から古帛紗を取り出し、右手で水指の前左寄りに二つ折りのまま置き右手で広げる。

帛紗捌き(右人差し指を入れて草の四方捌き-六方捌き)、茶入をふき(蓋向こう手前と二引き、左回りに胴拭き)、広げてある古帛紗の上におく。

帛紗捌き直し、水指の上の茶杓を取り、拭き、茶入の蓋のつまみの左側に置く。

水指の上の茶筅を茶入の右側に置き合わせる。


帛紗を人差し指と中指に挟んで、柄杓を構え、釜の蓋を取り、蓋置に置く。

帛紗は建水の後に置く。

湯を汲み茶碗に入れ、釜に置き柄杓。

右手で茶筅を取り、茶碗に入れて一度打ち(コン)、茶碗を両手で持って膝前に引き、
茶筅通し(見上げてコン×2回、「の」の字)水指前に戻す。

湯を捨て、水指の上の茶巾を取り、茶巾で拭く(3回半)。

茶碗置き、茶巾は釜の蓋の上に置く。

茶杓を右手で取り、左手で茶入を取り、茶杓を握りこんで、茶碗の左横で蓋を取り、蓋は茶碗の右横に置く。

茶をくみ(3杓くみ出し、茶杓茶碗に仮置きし、回しだし)茶入の口を向こう、手前とふき懐紙で指を清め、蓋をして古帛紗の上に戻す。

茶杓を取って茶を捌き、茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を茶入の蓋(火の方)に置く。

水指の蓋を三手で開ける。水指の左横に摘みが右横になるように置く。

柄杓を右手で上から取って(取り柄杓)水一杓汲み釜に差し、湯を汲み茶碗に入れ残りを釜に戻す。切り柄杓。

茶筅を取り、練り合わせる。

茶筅を左縁に預けて、湯を汲み、右手で茶筅を持ち上げ穂先から湯を注ぎ、残りの湯は釜へ戻す。置き柄杓。

茶筅を取り、よく練り合わせる。茶筅を戻す。

茶碗を右手で取り左掌にのせ、正面を客に向けて定座に出す。
(楽茶碗以外の時は、懐中から古帛紗を出し、茶碗の下座に出す)

正客:取り込み、左膝横に置き、客は総礼。感謝して正面を避けていただく。

一口で「服加減はいかがですか」

客:「結構でございます」

客付に回る。

茶名のやり取り。
客:「ただいまのお茶名は?」
亭主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
亭主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」
亭主:「きうんでございます」
客:「ごせいは?」
亭主:「紫野源水でございます」

客は三口ほど頂いたら膝前に置き、濡れ茶巾で喫み口を清める(3回)。縁外で拝見する。

末客の喫切りで、居前に回り、取り柄杓で水を釜に一杓さし、引き柄杓。
帛紗を腰につける。

客:茶碗を返す。

茶碗取り込み、主客総礼。

湯を汲み、置き柄杓。

湯を捨て、茶碗を下に置いて
「お仕舞いいたします」と挨拶。

取り柄杓で水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓。

茶筅通し。茶筅を元の位置に戻し、水を捨てる。

茶巾を取り茶碗に入れ、下に置く。
茶筅を取り茶碗に入れる。
茶杓を取り、左手で建水を引き、左手で帛紗を取り、茶杓を握りこんだまま帛紗を捌く。
茶杓を茶碗にふせて置く。

帛紗を建水の上で払って腰につける。
※荘物は全部「本仕舞い」

茶入を両手で古帛紗にのせたまま、水指の右前に置き換える。
左前に茶碗(右横左横右手前の三手で)置き合わせ、本仕舞。


取り柄杓で、釜へ水をさし、柄杓を構えて釜の蓋を閉める。

柄杓を蓋置に引き、水指の蓋を三手で閉める。

客:「お茶入、お茶杓、お仕覆の拝見を」

これを受け、柄杓を右手で取り左手に持ち替えて建水の上にたたむ。
右手で蓋置を取り、左手に持たせて建水の後に置く。

右手で茶碗を取り、三手で勝手付きに置く。
(※本仕舞の時は、右手前左横右横で勝手付きに置く)

茶入を古帛紗にのせたまま両手で持って客付へ向き、膝前に置く。

帛紗を捌き、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を胴で拡げ、胴拭きして拭き抜き、帛紗を古帛紗の右の方に置く。

蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう手前と拭く。

帛紗を下に置き、その手で蓋を取り、蓋を閉めて
茶入を右手に持ち替えて古帛紗の上に置く。

茶入を古帛紗にのせたまま、両手で古帛紗を右向こう左手前と回して、
正面を正し、両手で古帛紗と茶入の肩を抑えて茶入を定座に出す。

帛紗を腰につけ居前に戻り、茶杓を取り左手に持たせ、客付に回り、茶入の右に出す。

居前に戻り、右手で仕覆を取り、左掌にのせて客付に回り、茶杓の右に出す。

居前へ戻り、柄杓と蓋置を右手に持ち、一膝勝手付に向き左手で建水を持って立ち、茶道口に下がって襖を開けて水屋へ下がる。

客:茶入、茶杓、仕覆とりこむ。

茶碗を右手で取り、左掌にのせて右手を添えて持ちさがる。

水指を持ち下がり、茶道口に坐り膝前に置き、襖を閉める。

客:道具拝見(茶入は古帛紗にのせたままで離すことはないー縁外に置き、一礼、蓋をとって中をを拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ー縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。仕覆ー縁外に置き一礼、拝見。次客との間に置く。返す。

襖を開けて入り。道具正面に坐る。

客:「お茶入のご由緒は?」(なぜ茶入荘をされたの?)
亭主:その理由を答える

客:「お茶入のおかたちは?」
亭主:「かたつき」
客:「お窯元は?」
亭主:「瀬戸」
客:「お茶杓のお作は?」
亭主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
亭主:「緑陰」
客:「仕覆のお布地は?」
亭主:「利休間道」
客:「お仕立ては?」
亭主:「友湖」
客:「ありがとうございました」

右手で仕覆の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右手で
茶入を縁内膝前に取り込み、古帛紗を二つに折って懐中してから茶入を持ってさがる。

茶道口に坐り、(膝近くから)茶入、茶杓、仕覆(打ち返して)を建付けに置き、主客総礼をして襖を閉める

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