八千代棚
八千代棚は、淡々斎(たんたんさい)が
利休好みの旅箪笥をもとにして好まれた棚。
八千代棚は、本歌には淡々斎の嘉代子夫人の筆で『古今和歌集』の「我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」の小色紙が張ってあることろからこの名がある。
八千代棚は、七宝透しの内側に入っている二枚の桐木地の板を引き出して芝点を行うこともできる。斜めに置き棗と茶筅、膝前に縦に置き茶碗。
八千代棚は、炉・風炉ともに用いるが、風炉は棚に隠れてしまうので炉の時期3月4月に使われることが多い。
【お点前】
茶碗で挨拶をして入り、
棚に向かって真っすぐ座り、
茶碗は勝手付に置いて、棚の扉を開ける。
(右手の人差し指と中指で取っ手をつまみ、扉の左下辺りを左手の掌で添えるように抑え、少し上に押し上げ、傾けて手前に引いて外し、右手で左上を持ち、両手で棚の左側に1センチくらい出して立てかける。)
柄杓を取り出し棚の上に上向きに斜めに仮置きし、
蓋置きを取り出し、棚上左手前に仮置きをする。(仕舞いの飾る状態)
水指を棚のギリギリ前まで出す。
棗を出し、棚前右に置き、茶碗をその左隣に置き合わせる。
次に空の建水だけを持って入り、襖を閉め、居前に座る。
建水はいつもより少し上に置く。
棚上の蓋置きを取り、扱って畳3目3目に置き、柄杓を蓋置の上に置く。
その後はいつもと同じ。
水指の蓋を閉め「お棗お茶杓の拝見を」を受け、柄杓を棚の上に仮置き、蓋置を左手に乗せて棚正面に向かい棚左手前に蓋置を仮置く。
茶碗を勝手付に仮置きし、棗を持って客付に回り清めて出す。居前に戻り茶杓を取って出す。
建水を持って下がる。茶碗を持って下がる。
水次を持って入り、水指に水を注ぎ、水指を奥に戻し、水次を持って下がり、襖を閉める。
拝見の後、棗を左手に茶杓を右手に持ち棚に向かい、茶杓を棚の右上に仮置きし、棗を中棚に置く。
棚上から柄杓を取り棚の中に斜めに立てて置く。蓋置を地板の左下に置く。
棚の扉を右手上、左手下で持ち上げ、取っ手を持ち扉を閉める。
茶杓を持って勝手口に下がる。
終わり