2020年5月26日火曜日

風炉 茶碗荘

風炉 茶碗荘
 ■茶碗荘は茶碗が由緒ある品であったり、ごく軽い意味では目上の人から頂戴した品、または当日の連客より到来した茶碗などをそのまま使用しないで、初座の床にあらかじめ荘ってする点前

 ■初入りの迎付けをする前に、床に軸を掛け、その茶碗を御物袋に入れて、床の上座または下座のいずれかに荘っておく。【※軸中央には、格別の品の他は荘らない】

 ■客は掛物を拝見してのち、茶碗を手にとらないで、茶碗荘であることを知り、外見のみの拝見にとどめる。



点前にかかる前の準備

水指を正面に風炉と置き合わせ
水指の蓋上の右方に茶杓(かい先上)、蓋の摘みの前には茶巾、茶筅をのせ荘る。
水指の前には、初座で床に荘付けてあった茶碗に茶入を仕組んで荘付けておく。

お菓子を運ぶ:主客の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」襖を閉める。

【点前】

茶道口に坐り、膝前に建水(蓋置と柄杓)を置き、襖を開ける。
茶道口に建水を膝前に置いて坐り、襖を閉めて左膝を立てて立ちあがる。
点前に座り(畳の中心)、建水置く。

左手で柄杓を取り構えて、右手で蓋置を出し、風炉敷板の左前角(出ず入らず)に置き、柄杓を引く(カツンポトン)。

主客総礼。

建水をすすめ、居ずまいを正す。 

水指の前の茶碗を茶入が入ったまま左手を添え、膝前少し向こうに置き、右手で茶入を取り、茶碗と膝の間に置く。

仕覆の紐をとき、右手で輪を引き、横向きに置き、右手でつかり左手で打留(うちどめ)を持って引き伸ばし、左掌に乗せ、右左とぬがせる。

茶入を取り出し膝前に置く。

仕覆のつかりをそろえ、右手で右横を持ち火の方向に打ち返し、左手にのせ、右手で風炉と水指の中間の向こう寄りに置く(結び目が水指の方向くように)。

帛紗捌き(右人差し指を入れて草の四方捌き-六方捌き)、茶入をふき(蓋向こう手前と二引き、左回りに胴拭き)水指左前におく。

帛紗捌き直し、水指の上の茶杓を取り、拭き、茶入の蓋のつまみの左側に置く。

水指の上の茶筅を茶入の右側に置き合わせる。


帛紗を人差し指と中指に挟んで、柄杓を構え、釜の蓋を取り、蓋置に置く。

帛紗は建水の後に置く。

湯を汲み茶碗に入れ、釜に置き柄杓。

右手で茶筅を取り、左手を茶碗に添えて茶筅を茶碗に入れて一度打ち(コン)、茶碗を両手で持って膝前に引き、
茶筅通し(見上げてコン×2回、「の」の字)水指前に戻す。

茶碗に左手を添えて両手で茶碗を取り上げて湯を捨て、水指の上の茶巾を取り、茶巾で拭く(3回半)。

茶碗に左手を添えて膝前に両手で茶碗を置き、茶巾は釜の蓋の上に置く。

茶杓を右手で取り、左手で茶入を取り、茶杓を握りこんで、茶碗の左横で蓋を取り、蓋は茶碗の右横に置く。

茶をくみ(3杓くみ出し、茶杓茶碗に仮置きし、回しだし)茶入の口を向こう、手前とふき懐紙で指を清め、蓋をして古帛紗の上に戻す。

茶杓を取って茶を捌き、茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を茶入の蓋(火の方)に置く。

水指の蓋を三手で開ける。水指の左横に摘みが右横になるように置く。

柄杓を右手で上から取って(取り柄杓)水一杓汲み釜に差し、湯を汲み茶碗に入れ残りを釜に戻す。切り柄杓。

茶筅を取り、練り合わせる。

茶筅を左縁に預けて、湯を汲み、右手で茶筅を持ち上げ穂先から湯を注ぎ、残りの湯は釜へ戻す。置き柄杓。

茶筅を取り、よく練り合わせる。茶筅を戻す。

茶碗に左手を添えて取り上げ、左掌にのせ、右手を添えて持ち、客付に回る。
膝前に左手を添えて右手で置き、懐中より古帛紗を取り出し、扱って
右手で茶碗を出す位置に広げる。
茶碗を下で右向こう左手前と回して正面を正し、右手で茶碗を持ち左手を添えて古帛紗の上にのせ、一膝下がって手をつき控えている。


正客:古帛紗ごと取り込み、左膝横に置き、総礼。
感謝して下で回して正面を避けていただく。

亭主は正客が茶碗を取り込むと一膝進み、手を膝にのせて客付で待つ。
一口で「服加減はいかがですか」

客:「結構でございます」古帛紗ごと次客へ送る。

茶名のやり取り。
客:「ただいまのお茶名は?」
亭主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
亭主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」
亭主:「きうんでございます」
客:「ごせいは?」
亭主:「紫野源水でございます」

客は三口ほど頂いたら膝前に置き、濡れ茶巾で喫み口を清める(3回)。縁外で拝見する。

末客の喫切りで、居前に回り、取り柄杓で水を釜に一杓さし、引き柄杓。
帛紗を腰につける。

客:古帛紗ごと茶碗を返す。

亭主が客付に回ると、正客は茶碗の由緒、窯元を尋ねる。

茶碗を左手を添えて膝前に取り込み、古帛紗を右手に二つ折りにして懐中。
茶碗を左手を添えて取り、左掌にのせ右手を添えて居前に戻り、左手を添えて膝前に置く。
主客総礼。

湯を汲み、置き柄杓。

茶碗を左手を添えて取り湯を捨て、左手を添えて茶碗を下に置いて
「お仕舞いいたします」と挨拶。

取り柄杓で水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓。

茶筅通し。茶筅を元の位置に戻し、茶碗を左手を添えて取り水を捨てる。

茶巾を取り茶碗に入れ、左手を添えて下に置く。
茶筅を取り茶碗に入れる。
茶杓を取り、左手で建水を引き、左手で帛紗を取り、茶杓を握りこんだまま帛紗を捌く。
茶杓を茶碗にふせて置く。

帛紗を建水の上で払って腰につける。
※荘物は全部「本仕舞い」

茶入を右手で水指の右前に置き換える。茶碗を左手を添えて取り、水指左前に(右横左横右手前の三手で)置き合わせ、本仕舞。

取り柄杓で、釜へ水をさし、柄杓を構えて釜の蓋を閉める。

柄杓を蓋置に引き、水指の蓋を三手で閉める。

客:「お茶入、お茶杓、お仕覆の拝見を」

これを受け、柄杓を右手で取り左手に持ち替えて建水の上にたたむ。
右手で蓋置を取り、左手に持たせて建水の後に置く。

右手で茶碗を取り、三手で勝手付きに置く。
(※本仕舞の時は、右手前左横右横で勝手付きに置く)

茶入を持って客付へ向き、膝前に置く。

帛紗を捌き、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を胴で拡げ、胴拭きして拭き抜き、帛紗を置く。

蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう手前と拭く。

帛紗を下に置き、その手で蓋を取り、蓋を閉めて正面を正し、茶入を定座に出す。

帛紗を腰につけ居前に戻り、茶杓を取り左手に持たせ、客付に回り、茶入の右に出す。

居前に戻り、右手で仕覆を取り、左掌にのせて客付に回り、茶杓の右に出す。

居前へ戻り、柄杓と蓋置を右手に持ち、一膝勝手付に向き左手で建水を持って立ち、茶道口に下がって襖を開けて水屋へ下がる。

客:茶入、茶杓、仕覆とりこむ。

茶碗を右手で取り、左掌にのせて右手を添えて持ちさがる。

水指を持ち下がり、茶道口に坐り膝前に置き、襖を閉める。

客:道具拝見。返す。

襖を開けて入り。道具正面に坐る。

客:「お茶入のおかたちは?」
亭主:「かたつき」
客:「お窯元は?」
亭主:「瀬戸」
客:「お茶杓のお作は?」
亭主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
亭主:「緑陰」
客:「仕覆のお布地は?」
亭主:「利休間道」
客:「お仕立ては?」
亭主:「友湖」
客:「ありがとうございました」

右手で仕覆の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右手で茶入を持ってさがる。

茶道口に坐り、(膝近くから)茶入、茶杓、仕覆(打ち返して)を建付けに置き、主客総礼をして襖を閉める

2020年5月25日月曜日

風炉 茶入荘

風炉 茶入荘
 ■茶入荘は茶入が由緒ある品であったり、ごく軽い意味では目上の人から頂戴した品、または当日の連客より到来した茶入などをそのまま使用しないで、初座の床にあらかじめ荘ってする点前

 ■初入りの迎付けをする前に、床に軸を掛け、その茶入を、床の上座、または下座のいずれかに帛紗をを敷いて荘っておく。【※軸中央には、格別の品の他は荘らない】

 ■客は掛物を拝見してのち、茶入を手にとらないで、茶入荘であることを知り、外見のみの拝見にとどめる。



点前にかかる前の準備

水指を正面に風炉と置き合わせ
水指の蓋上の右方に茶杓(かい先上)、蓋の摘みの前には茶巾、茶筅をのせ荘る。
水指の前には、初座で床に荘付けてあった茶碗に茶入を仕組んで荘付けておく。

お菓子を運ぶ:主客の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」襖を閉める。

【点前】

茶道口に坐り、膝前に建水(蓋置と柄杓)を置き、襖を開ける。
茶道口に建水を膝前に置いて坐り、襖を閉めて左膝を立てて立ちあがる。
点前に座り(畳の中心)、建水置く。

左手で柄杓を取り構えて、右手で蓋置を出し、風炉敷板の左前角(出ず入らず)に置き、柄杓を引く(カツンポトン)。

主客総礼。

建水をすすめ、居ずまいを正す。 

水指の前の茶碗を茶入が入ったまま左手を添え、膝前少し向こうに置き、左手を茶碗に添えて右手で茶入を取り、茶碗と膝の間に置く。

仕覆の紐をとき、右手で輪を引き、横向きに置き、右手でつかり左手で打留(うちどめ)を持って引き伸ばし、左掌に乗せ、右左とぬがせる。

茶入を取り出し膝前に置く。

仕覆のつかりをそろえ、右手で右横を持ち火の方向に打ち返し、左手にのせ、右手で風炉と水指の中間の向こう寄りに置く(結び目が水指の方向くように)。

懐中から古帛紗を取り出し、右手で水指の前左寄りに二つ折りのまま置き右手で広げる。

帛紗捌き(右人差し指を入れて草の四方捌き-六方捌き)、茶入をふき(蓋向こう手前と二引き、左回りに胴拭き)、広げてある古帛紗の上におく。

帛紗捌き直し、水指の上の茶杓を取り、拭き、茶入の蓋のつまみの左側に置く。

水指の上の茶筅を茶入の右側に置き合わせる。


帛紗を人差し指と中指に挟んで、柄杓を構え、釜の蓋を取り、蓋置に置く。

帛紗は建水の後に置く。

湯を汲み茶碗に入れ、釜に置き柄杓。

右手で茶筅を取り、茶碗に入れて一度打ち(コン)、茶碗を両手で持って膝前に引き、
茶筅通し(見上げてコン×2回、「の」の字)水指前に戻す。

湯を捨て、水指の上の茶巾を取り、茶巾で拭く(3回半)。

茶碗置き、茶巾は釜の蓋の上に置く。

茶杓を右手で取り、左手で茶入を取り、茶杓を握りこんで、茶碗の左横で蓋を取り、蓋は茶碗の右横に置く。

茶をくみ(3杓くみ出し、茶杓茶碗に仮置きし、回しだし)茶入の口を向こう、手前とふき懐紙で指を清め、蓋をして古帛紗の上に戻す。

茶杓を取って茶を捌き、茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を茶入の蓋(火の方)に置く。

水指の蓋を三手で開ける。水指の左横に摘みが右横になるように置く。

柄杓を右手で上から取って(取り柄杓)水一杓汲み釜に差し、湯を汲み茶碗に入れ残りを釜に戻す。切り柄杓。

茶筅を取り、練り合わせる。

茶筅を左縁に預けて、湯を汲み、右手で茶筅を持ち上げ穂先から湯を注ぎ、残りの湯は釜へ戻す。置き柄杓。

茶筅を取り、よく練り合わせる。茶筅を戻す。

茶碗を右手で取り左掌にのせ、正面を客に向けて定座に出す。
(楽茶碗以外の時は、懐中から古帛紗を出し、茶碗の下座に出す)

正客:取り込み、左膝横に置き、客は総礼。感謝して正面を避けていただく。

一口で「服加減はいかがですか」

客:「結構でございます」

客付に回る。

茶名のやり取り。
客:「ただいまのお茶名は?」
亭主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
亭主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」
亭主:「きうんでございます」
客:「ごせいは?」
亭主:「紫野源水でございます」

客は三口ほど頂いたら膝前に置き、濡れ茶巾で喫み口を清める(3回)。縁外で拝見する。

末客の喫切りで、居前に回り、取り柄杓で水を釜に一杓さし、引き柄杓。
帛紗を腰につける。

客:茶碗を返す。

茶碗取り込み、主客総礼。

湯を汲み、置き柄杓。

湯を捨て、茶碗を下に置いて
「お仕舞いいたします」と挨拶。

取り柄杓で水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓。

茶筅通し。茶筅を元の位置に戻し、水を捨てる。

茶巾を取り茶碗に入れ、下に置く。
茶筅を取り茶碗に入れる。
茶杓を取り、左手で建水を引き、左手で帛紗を取り、茶杓を握りこんだまま帛紗を捌く。
茶杓を茶碗にふせて置く。

帛紗を建水の上で払って腰につける。
※荘物は全部「本仕舞い」

茶入を両手で古帛紗にのせたまま、水指の右前に置き換える。
左前に茶碗(右横左横右手前の三手で)置き合わせ、本仕舞。


取り柄杓で、釜へ水をさし、柄杓を構えて釜の蓋を閉める。

柄杓を蓋置に引き、水指の蓋を三手で閉める。

客:「お茶入、お茶杓、お仕覆の拝見を」

これを受け、柄杓を右手で取り左手に持ち替えて建水の上にたたむ。
右手で蓋置を取り、左手に持たせて建水の後に置く。

右手で茶碗を取り、三手で勝手付きに置く。
(※本仕舞の時は、右手前左横右横で勝手付きに置く)

茶入を古帛紗にのせたまま両手で持って客付へ向き、膝前に置く。

帛紗を捌き、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を胴で拡げ、胴拭きして拭き抜き、帛紗を古帛紗の右の方に置く。

蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう手前と拭く。

帛紗を下に置き、その手で蓋を取り、蓋を閉めて
茶入を右手に持ち替えて古帛紗の上に置く。

茶入を古帛紗にのせたまま、両手で古帛紗を右向こう左手前と回して、
正面を正し、両手で古帛紗と茶入の肩を抑えて茶入を定座に出す。

帛紗を腰につけ居前に戻り、茶杓を取り左手に持たせ、客付に回り、茶入の右に出す。

居前に戻り、右手で仕覆を取り、左掌にのせて客付に回り、茶杓の右に出す。

居前へ戻り、柄杓と蓋置を右手に持ち、一膝勝手付に向き左手で建水を持って立ち、茶道口に下がって襖を開けて水屋へ下がる。

客:茶入、茶杓、仕覆とりこむ。

茶碗を右手で取り、左掌にのせて右手を添えて持ちさがる。

水指を持ち下がり、茶道口に坐り膝前に置き、襖を閉める。

客:道具拝見(茶入は古帛紗にのせたままで離すことはないー縁外に置き、一礼、蓋をとって中をを拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ー縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。仕覆ー縁外に置き一礼、拝見。次客との間に置く。返す。

襖を開けて入り。道具正面に坐る。

客:「お茶入のご由緒は?」(なぜ茶入荘をされたの?)
亭主:その理由を答える

客:「お茶入のおかたちは?」
亭主:「かたつき」
客:「お窯元は?」
亭主:「瀬戸」
客:「お茶杓のお作は?」
亭主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
亭主:「緑陰」
客:「仕覆のお布地は?」
亭主:「利休間道」
客:「お仕立ては?」
亭主:「友湖」
客:「ありがとうございました」

右手で仕覆の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右手で
茶入を縁内膝前に取り込み、古帛紗を二つに折って懐中してから茶入を持ってさがる。

茶道口に坐り、(膝近くから)茶入、茶杓、仕覆(打ち返して)を建付けに置き、主客総礼をして襖を閉める

2020年5月23日土曜日

風炉 濃茶点前

水指を正面に風炉と置き合わせ、水指の前に茶入を荘っておく。

お菓子を運ぶ:主客の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」襖を閉める。
客:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」亭主に「頂戴致します」懐紙をだし膝前に置きお菓子を取り置く。次客との間にお盆を置く。いただく。

【手前】

茶道口に坐り、膝前に茶碗を置き、襖を開ける。

茶碗(茶碗に茶巾・茶筅・茶杓)を右手で取り左掌に乗せ右手を添えて持ち右膝から立ち上がり、定座に坐る。

茶碗を右横左手前で勝手付に仮置き。

右手で茶入を水指の右前寄りに置き、茶碗左手前右横左横で水指の左前に置く。水屋に下がる。

建水(中に蓋置き、上に柄杓ふせる)持ち出し、茶道口に建水を膝前に置いて坐り、襖を閉めて左膝を立てて立ちあがる。

点前に座り(畳の中心)、建水置く。

左手で柄杓を取り構えて、右手で蓋置を出し、風炉敷板の左前角(出ず入らず)に置き、柄杓を引く(カツンポトン)。

主客総礼。

建水をすすめ、居ずまいを正す。 

茶碗を右手前左横右横で膝前に置き、茶入を右手で取り茶碗と膝の間に置く。

仕覆の紐をとき、右手で輪を引き、横向きに置き、右手でつかり左手で打留(うちどめ)を持って引き伸ばし、左掌に乗せ、右左とぬがせる。

茶入を取り出し膝前に置く。

仕覆のつかりをそろえ、右手で右横を持ち火の方向に打ち返し、左手にのせ、右手で風炉と水指の中間の向こう寄りに置く(結び目が水指の方向くように)。

帛紗捌き(右人差し指を入れて草の四方捌き-六方捌き)、茶入をふき(蓋向こう手前と二引き、左回りに胴拭き)、水指の左前におく。

帛紗捌き直し、茶杓拭き、茶入の蓋のつまみの左側に置く。

茶筅を茶入の右側に置き合わせる。

(塗り蓋の場合)帛紗を折り返し、水指の蓋をで二の字に清め、
茶碗を手前に引く。

茶巾を水指の蓋の上に置く。

帛紗を人差し指と中指に挟んで、柄杓を構え、釜の蓋を取り、蓋置に置く。

帛紗は建水の後に置く。

湯を汲み茶碗に入れ、釜に置き柄杓。

茶筅通し(コン、見上げてコン×2回、「の」の字)水指前に戻す。

湯を捨て、茶巾を取り、茶巾で拭く(3回半)。

茶碗置き、茶巾は釜の蓋の上に置く。

茶杓を右手で取り、左手で茶入を取り、茶杓を握りこんで、茶碗の左横で蓋を取り、蓋は茶碗の右横に置く。

茶をくみ(3杓くみ出し、茶杓茶碗に仮置きし、回しだし)茶入の口を向こう、手前とふき懐紙で指を清め、蓋をして戻す。

茶杓を取って茶を捌き、茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を茶入の蓋(火の方)に置く。

水指の蓋を三手で開ける。水指の左横に摘みが右横になるように置く。

柄杓を右手で上から取って(取り柄杓)水一杓汲み釜に差し、湯を汲み茶碗に入れ残りを釜に戻す。切り柄杓。

茶筅を取り、練り合わせる。

茶筅を左縁に預けて、湯を汲み、右手で茶筅を持ち上げ穂先から湯を注ぎ、残りの湯は釜へ戻す。置き柄杓。

茶筅を取り、よく練り合わせる。茶筅を戻す。

茶碗を右手で取り左掌にのせ、正面を客に向けて定座に出す。
(楽茶碗以外の時は、懐中から古帛紗を出し、茶碗の下座に出す)

正客:取り込み、左膝横に置き、客は総礼。感謝して正面を避けていただく。

一口で「服加減はいかがですか」

客:「結構でございます」

客付に回る。

茶名のやり取り。
客:「ただいまのお茶名は?」
亭主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
亭主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」
亭主:「きうんでございます」
客:「ごせいは?」
亭主:「紫野源水でございます」

客は三口ほど頂いたら膝前に置き、濡れ茶巾で喫み口を清める(3回)。縁外で拝見する。

末客の喫切りで、居前に回り、取り柄杓で水を釜に一杓さし、引き柄杓。
帛紗を腰につける。

客:茶碗を返す。

茶碗取り込み、主客総礼。

湯を汲み、置き柄杓。

湯を捨て、茶碗を下に置いて
「お仕舞いいたします」と挨拶。

取り柄杓で水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓。

茶筅通し。茶筅を元の位置に戻し、水を捨てる。

茶巾を取り茶碗に入れ、下に置く。
茶筅を取り茶碗に入れる。
茶杓を取り、左手で建水を引き、左手で帛紗を取り、茶杓を握りこんだまま帛紗を捌く。
茶杓を茶碗にふせて置く。

茶碗を右横を持ち少し左へ寄せる。
茶入も右手で茶碗と置き合わせる。(中仕舞い※)
帛紗を建水の上で払って腰につける。

(※小間の時は「本仕舞い」)
    帛紗を払って、水指の右前に茶入、左前に茶碗(右横左横右手前)


釜へ水をさし、釜の蓋閉める。

柄杓を蓋置に引き、水指の蓋を三手で閉める。

客:「お茶入、お茶杓、お仕覆の拝見を」

これを受け、柄杓を右手で取り左手に持ち替えて建水の上にたたむ。
右手で蓋置を取り、左手に持たせて建水の後に置く。

右手で茶碗を取り、一手で勝手付きに置く※。
(※本仕舞の時は、右手前左横右横で勝手付きに置く)

茶入を左掌に乗せて客付へ向き、膝前に置く。

帛紗を捌き、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を胴で拡げ、胴拭きして拭き抜き、帛紗を膝前に置く。

蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう手前と拭く。

帛紗を下に置き、その手で蓋を取り、蓋を閉めて正面を正し、右手で茶入を定座に出す。

帛紗を腰につけ居前に戻り、茶杓を取り左手に持たせ、客付に回り、茶入の右に出す。

居前に戻り、右手で仕覆を取り、左掌にのせて客付に回り、茶杓の右に出す。

居前へ戻り、柄杓と蓋置を右手に持ち、左手で建水を持って立ち、茶道口に下がって襖を開けて水屋へ下がる。

客:茶入、茶杓、仕覆とりこむ。

茶碗を右手で取り、左掌にのせて右手を添えて持ちさがる。

水指を持ち下がり、茶道口に坐り膝前に置き、襖を閉める。

客:道具拝見(茶入ー縁外に置き、一礼、蓋をとって中をを拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ー縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。仕覆ー縁外に置き一礼、拝見。次客との間に置く。返す。

襖を開けて入り。道具正面に坐る。

客:「お茶入のおかたちは?」
亭主:「かたつき」
客:「お窯元は?」
亭主:「瀬戸」
客:「お茶杓のお作は?」
亭主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
亭主:「緑陰」
客:「仕覆のお布地は?」
亭主:「利休間道」
客:「お仕立ては?」
亭主:「友湖」
客:「ありがとうございました」

右手で仕覆の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右手で茶入を持ってさがる。

茶道口に坐り、柱付に膝近くから茶入、茶杓、仕覆(打ち返して)を置き、主客総礼をして襖を閉める

2020年5月21日木曜日

風炉 貴人清次 濃茶

【準備】
棚・水指・棗
建水・蓋置・柄杓
貴人茶碗(茶巾、茶筅、茶杓)
貴人台(右手左手の順で扱う)
次茶碗(千鳥茶巾、煤竹の茶筅
水注

【点前】
棚の上段に棗、下段に水指を荘る。
茶入をその正面に飾り お迎えつけ。
「どうぞお入りを」襖を閉める。

お菓子を運ぶ:貴人の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」襖を閉める。
客:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」亭主に「頂戴致します」お菓子を取り置く。

貴人台を茶道口建付けに置いて襖を開け、貴人に対して一礼。

貴人台に貴人茶碗を乗せて(ホオズキに右手を添えて)運び、勝手付きに両手で置き、茶入とお茶碗置き合わせ。

建水(中に蓋置き、上に柄杓ふせる)持って入り、襖を閉める。(次茶碗は後で)

点前に座り、建水置く。

柄杓構えて蓋置を出し、風炉左角に置き、柄杓を引き(カツンポトン)、総礼。
建水を進めて居ずまいを正す。 

台茶碗を右手前左横右横で膝前に置き、茶入を右手で取り茶碗の下に置く

仕服の紐をほどき横向きに置き直し手の平におき右左と口を切り茶入を取り出し置く。

仕服は火の方向(左)にひっくり返し、右手で底を持ち、棚に置く(結び目が炉の方向くように)。(丸棚は正面、角棚は左横)

帛紗捌き(草の四方捌き-六方捌き)、茶入をふき(蓋二引き胴2回回し拭き)、水指の左前におく。

帛紗捌き直し、茶杓拭き、茶入の上に置く。その横に茶筅取り置く。


帛紗を右手に持ち替え、折り返して水指の蓋を二の字に拭き、帛紗指に挟んで柄杓構えて、釜の蓋あける。帛紗は建水の後ろに。
茶巾は釜の蓋の上に置く。

湯を汲み、置き柄杓。
茶碗に左手を添えて茶筅入れ(コン)、両手で台を持って手前に引く。
茶筅通し(見上げてコン×2回、いりのしで抜く)

左手を添えて茶碗を取り、湯を捨て、茶巾を取り、拭く(3回半)。
茶碗置き、茶巾釜の蓋の上に置く。

茶杓持って左手で茶入を取り、茶杓を握りこんで蓋を取り茶碗の右横に置く。
茶を汲む(3杓くみ出しのみ。回し出しナシ)
茶を捌き茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を置く。

水指の蓋あけ(3手)水を1杓釜に入れ、湯を汲み茶筅で練る。
茶筅左にもたせて湯を汲み茶筅をまわしながら湯を入れゆるめる。

茶碗を持ち客つきへまわり、右向こう左手前を持ち貴人台を上で2回まわし、置き、左右と膝退してひかえる。

お供:取り込み、貴人に運び席に戻り控える。

貴人:膝前に預けてお茶碗だけ取り一礼、少しまわして(正面を避ける)いただく。

一口で「おふく加減は?」

客:「結構でございます」

供:貴人が飲みおわったら「お茶碗拝見を」拝見したら下座に取り込んでおく。

右、左と膝行して点前戻って帛紗腰に付け、一膝左に寄り、建水もってさがる。

右手に次茶碗、左手に建水持って入り、茶道口を閉める。
点前に座り建水を定座に出し、次茶碗を左手で取り右手に持ち替えて膝前に置く。

茶筅建水の肩に置き、千鳥茶巾を釜の蓋の向う側に逆手に置く。

湯を汲み茶筅通し(一度上げ二度打ち)、千鳥茶巾でふき置く。
お茶を入れ(3杓くみ出し、回し出し)錬る。
居前から出す。

お供の上客が茶碗取り込み、いただく。

1口で「おふく加減は?」

供「結構でございます」

水1杓釜にさし、引き柄杓。点前で茶名のやり取り。

客:「ただいまのお茶名は?」
点主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
点主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」
供:貴人茶碗を返す。

客付に回って台茶碗を両手で取り込み、居前に回って膝前に置いて貴人に一礼。

湯を汲み捨てる。
「おしまいいたします」

水を入れ茶筅通し(一度上げ二度打ち)。
水を捨て、茶巾納め、茶筅入れ、茶杓持って 建水はさげない
帛紗を捌いて茶杓を拭き、貴人茶碗に伏せて置き、帛紗を払って腰につける。

本仕舞(水指の右前に茶入、左前に茶碗ー右、左、右前)

供:供茶碗返す

茶碗を居前で取り込み、お供の連客との総礼。

湯を汲み、左手を添えて茶碗を取り、湯を捨てる。
水を汲み茶筅通し(シャバシャバのしで抜く、見上げない)、千鳥茶巾おさめ、次茶筅を次茶碗に入れ、右手で取り左手に持ち替えて、勝手付建水の上座に置く。
その手で建水下げる。

釜に水1杓入れ湯返しし、釜の蓋閉める。
柄杓を蓋置きに置き、水指の蓋閉める。

客:「茶入、お茶杓、仕服拝見を」

柄杓を建水にふせて、蓋置を建水の下に置く。

貴人台を右手前左手横と取り上げ、右手横に持ち替えて勝手付きに割付ける。

茶入を持って客付へ向く。
帛紗捌きふく(蓋を拭いたら帛紗置いて蓋を取り縁を拭く)
蓋をして茶入を出す。

帛紗を腰につけ正面に戻り、茶杓持ち客付から出し、仕服をとり左手にのせ、客つきから出す。

正面へ戻り、柄杓と蓋置を荘る。
次茶碗を右掌にのせ、一膝勝手付に回り、左手に建水持って水屋に下がる。

供:茶入、茶杓、仕服貴人の前に運ぶ。

貴人茶碗(右手はホオズキに添えて)持ってさがる。
茶道口に下がり、貴人台を建付けに置き、貴人に対して一礼。

水注を持って入り、水指正面に座り、水を注ぐ。
襖を閉める。

客:道具拝見(茶入ー縁外に置き、一礼、蓋をとって中をを拝見、返す。

襖を開けて入室。客付正面へ座る。

客:「茶入のおなりは?」
点主:「かたつき」
客:「お窯元は?」
点主:「瀬戸」
客:「お茶杓のお作は?」
点主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
点主:「青苔」
客:「仕服のお布地は?」
点主:「紹鴎緞子」
客:「お仕立ては?」
点主:「友湖」
客:「ありがとうございました」

右手で仕服の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右で茶入をもちさがる。
茶道口の建付に茶入、茶杓、仕服を置き主客総礼。

2020年5月19日火曜日

風炉 貴人清次 薄茶

 ■準備■

棚・水指・水注・建水・蓋置・柄杓

貴人茶碗+貴人台 貴人茶碗に茶巾、茶筅、茶杓納める
次茶碗千鳥茶巾煤竹の茶筅を納める。
貴人台は右左の順で両手で扱う

■点前■

棚の上段に棗、下段に水指。
茶入れをその正面に荘り 迎え付。「どうぞお入りを」ふすまを閉める。
お菓子を運ぶ:貴人の前に高坏の菓子器を置き退室。ふすまを閉める。

建付けに貴人台と茶碗を置き、襖を開け、貴人に対して一礼。

貴人台に貴人茶碗をのせて運び、
正面に座り、左手を引きながら貴人台を勝手付きに置き、
棚上段の棗を水指の右前におろし、貴人台と置き合わせる。

右手に次茶碗を受けて持ち、左で建水を持って入る。

点前に座り、建水を置き、次茶碗左一手で勝手付きに置く。

柄杓構えて蓋置き出し、柄杓置き(カツンポトン)、建水くりあげる。 

茶碗(右手前左手横、右手横)両手で膝前、棗を右手半月で取り茶碗の前に置く

帛紗を草に捌き 、棗を清め、水指の左前におく。
帛紗を捌き直し、茶杓を清め、棗の上に置く。

茶筅を水指の右前に出す。
帛紗を指に挟んで柄杓構えて、釜の蓋あけ、帛紗は建水の下に置き、茶巾を釜の蓋に置き、湯をくむ。

茶筅を取り、左手を添えて茶碗に入れ(コン)両手で下げる。
茶筅通し(見上げてコン×2回、いりのしで抜く)

茶碗に左手を添えて右手で取り、左手で湯を捨てる。

茶巾を取り茶碗を拭く(3回半)。

茶巾を入れて左手を添えて茶碗を台に乗せ、茶巾を釜の蓋の上に戻す。
茶杓持って「お菓子をどうぞ」

貴人:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」点主に「頂戴致します」懐紙をだし膝前に置きお菓子を取り置く。次客との間にお盆を置く。いただく。

左手で棗を取り、茶杓を握りこんで蓋を取り茶碗の右下に置き茶をくむ(1杓半)
茶碗の縁でコン。
棗を置き、茶杓を置く。

水指しの蓋を開ける(3手)

湯を汲んで茶碗に入れ茶を点てる。

茶が点つと、貴人台を両手で取り上げて客付に回り、右向こう左手前を持ち貴人台を上で2回まわし、置き、左右と膝退してひかえる。

お供:取り込み、貴人の前に運び一礼。席に戻り控える。
貴人:左膝前に置き「お先に」、正面に置き「お点前頂戴致します」、右膝前に預けてお茶碗だけ取り、少しまわして(正面を避ける)いただく。飲み終わったら台にのせ、縁 外にだし拝見する。

貴人の一口で「お供へも差し上げます」

右左で膝行して点前に戻り、左手前右手横で次茶碗を取り、膝前に置く。

煤茶筅を建水の右肩に置き、千鳥茶巾を釜の蓋の上の向う側に逆手で置く。

湯を次茶碗に汲み、茶筅通し一度上げ二度打ち(コツ見上げてコツ)、のしでぬいてけんすいの肩に置く)。

千鳥茶巾で茶碗を拭く。

茶杓持って「お菓子をどうぞ」

お供:お菓子をいただく。貴人が飲み終わったら「お茶碗拝見を」縁内から縁外へ茶碗をだし拝見、右膝前に取り込んでおく。

お茶をたてその場から出す。

お供:貴人の茶碗を返して(上座に置く)茶碗、縁内正面に取り込み「お相伴致します」「お点前頂戴致します」

お供の一口で帛紗を腰につけ、客付向いて貴人茶碗を両手で持って居前に戻り、湯を汲み捨てる。

貴人:「どうぞおしまいを」

片手をついて受ける。
茶碗を貴人台に置いて「おしまいいたします」

取り柄杓で水をくみ、茶筅通し(1回)水を捨てる。

茶巾を清茶碗に入れ、台に茶碗を左手を添えて乗せる。

釜の蓋の千鳥茶巾を手前に置きかえる。
茶筅を清茶碗に入れ、次茶筅を建水の肩から、その後に置き換える。

貴人台を右横左横を持って取り上げ、左手前に持ち替えて勝手付きに置く。

お供:茶碗を返す

お供が戻ったら茶碗取り込み湯を入れ捨てる。

お供:「どうぞおしまいを」

「おしまいいたします」

水を汲み茶筅通し(シャバシャバ、コツンのみ。見上げない
湯を捨て、茶碗に千鳥茶巾を入れ、次茶筅を入れ、茶杓持って建水を多めに引く
帛紗を捌き、茶杓を拭き茶碗にふせる。

帛紗を払って腰につけ、棗を水指前右寄りに置き換え、次茶碗を右左右手前の三手で棗と置き合わせて本仕舞にする。


釜に水1杓入れ湯返しし、釜の蓋閉める。
柄杓蓋置きに置き、水指しの蓋閉める。

貴人:「お棗、お茶杓拝見を」

これを受け、柄杓を取り棚に荘り、蓋置きも荘る。

次茶碗を勝手付に割り付ける(貴人茶碗の下)。

棗を取って左掌に乗せ、客付に回る。
帛紗を捌き、棗を拭き清め、定座に出す。
(蓋を拭いたら帛紗握りこんで蓋を取り縁を拭く)

帛紗を腰につける。

居前に戻り、茶杓を右手で取り左手に持たせて客付に回り、棗の右に出す。

居前に戻り、左手で次茶碗を右掌に乗せ、一膝勝手付に回り、左手に建水を持って水屋へ下がる。

お供:棗と茶杓とりこみ、貴人の前に運び一礼。席に戻り控える。

貴人台を右横左手前ともって取り上げ、左横と持ち替え、右手を茶碗とホオズキに添えて持って下がる。
茶道口に座って台茶碗を勝手付に置き、貴人に対して一礼。


水注を持って入り、水指し正面に座り、水を注ぐ(水注ぎ水差しの左前に置き、水差しの蓋を2手で開け、水を注ぎ、蓋を閉め、下がる。

客:道具拝見 お供が返す。

ふすまを開けて入室。
客:「お棗のお形は?」
点主:「利休好みの中棗」
客:「お塗は?」
点主:「宗哲」
客:「お茶杓のお作は?」
点主:「鵬雲斎大宗匠」
客:「ご名は?」
点主:「薫風」
客:「ありがとうございました」

左掌に棗を乗せて、右手で茶杓持って棚正面へ向き、茶杓水指に預け、棗を棚の上に荘り、茶杓のみ持って下がる。
茶杓を建付けに置き、主客総礼して茶道口を閉めて終わる。

2020年5月16日土曜日

風炉 貴人点 濃茶


◆風炉・貴人点・濃茶◆
■貴人点について■
 「貴人点」は、高貴の方に対しての作法で、往昔は最も多く行われた点前。
  古い美術的に価値の高いものより、清浄なものをよいとする。
 菓子器はすべて、足の高い高杯が約束で、白紙を折ってのせその上に菓子を盛る。
  貴人に対して一人一碗が約束で、菓子器の高杯も一人づつ。
 小習い十六ヶ条第一ヶ条。

■貴人とは■
 貴人とは、官位の高い人のこと。
 現在、茶の湯では貴人と尊称するお方は皇族の方々の他には、世の中のために功績があって勲位を授与された方達のことをいう。そうした身分の高い方にお茶を差し上げる時の点前を【貴人点】という。

■貴人畳■
 貴人がお座り頂く畳を呼び、神聖な場と認識する。

点前にかかる前の準備

・ 薄茶器に中高になるようにお茶を入れる。
・ 濃茶の茶入にお茶を入れ、水指前にかざる。
・ 茶筅は、水で清める。
・ 天目茶碗を貴人台に載せ、茶巾、茶筅、茶杓を仕組む。
・ 水指に八分目の水を入れる。
・ 柄杓を準備。(柄のつき方は月形。合が大ぶりで身の方を斜めに切ってある)
・ 棚を貴人畳のへりから畳の目数十六目向こうに揃える。
・ 地板に水指、天板に棗を飾る。
・ 水次を用意し、茶巾を蓋上にのせておく。
・ 釜の蓋をきっておく。
・ 帛紗を腰につける。

● 菓子は高杯に干菓子を盛り、前席で出す。
点前

■茶碗を運び出す■

1、茶碗を載せた貴人台を建付けに置き、襖を開け、両手を揃えて一礼する。(真)

2、右手左手と貴人台をの縁(絵矢印部分)に手をかけて取り上げてから、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って運び出す。右膝から立ち上がり、畳の中央を進み、正面に坐る。

3、右手を台縁右方に持ち替えて、左手を少し手前にひかえて、勝手付左方に両手で仮置きする。

4、次に茶入を棚正面、右寄りに置く。

5、仮置きの貴人台を右手横、左手前と取り上げ、左手横、右手前と持ち替えて、茶入と置き合わせる。

6、左膝から立ち上がり、水屋にさがる。

7、建水を左手に席入りし、襖を閉め、居前(正面)に坐り、手なりに建水を置く。

8、左手で柄杓をとり、切り止めに右手を添え、構え(鏡柄杓)右手で建水の中の蓋置を取り、柄杓の内側を通り、敷板の角「出ず入らず」のところに置く。

9、柄杓を蓋置きに斜めに引く。カツン、ポトン。総礼。

○ 半東は、このあたりで茶道口を開け、一礼してにじり入って、踏込畳に斜めに座って両手をついて控える。

10、左手で建水を膝前の線まであげて、居ずまいを正し、

11、貴人台を右手前、左手横と持って取り上げ、右手を横にして膝前少し向こうに移動させる。

12、茶入を取り、茶碗と膝の間に置く。
  仕服を脱がし、釜の方へ(左)打ち返し、右手で棚上に置く。

13、左手で腰の帛紗を取り、四方捌き、畳む。左手で茶入を取り、清める。

15、帛紗を捌き直して左手に持ち、右手で茶杓を取り、清め、茶入の上に置く。

16、右手で茶筅を取り、茶入の右側に置き合わせる。
  水指が塗り蓋の場合は、帛紗を二つに折り、蓋を二の字に清め、左手に持たせる。
  茶巾を蓋の上に置く。

17、帛紗を左手の人差し指と中指の間にはさんだまま、柄杓を右手で取りかまえ、右手で帛紗を取り、釜の蓋にのせ、開け、露をきる。

18、蓋を蓋置に置き、帛紗を建水の方に置く。

19、柄杓を持ち直し、湯を汲み、茶碗より合一つ分上に持ってきて、湯を茶碗に入れる。柄杓を釜にあずけ、

20、右手で茶筅を取り、左手を軽く茶碗に添えて茶碗を右手で一度打つ。

21、右手左手と両手で台縁を持って手前に寄せ、

22、左手を茶碗に添え、茶筅通しを二度上げ三度打ちして、穂先を清める。茶筅を元の位置に戻す。

23、茶碗を右手で取り、左手も添えて取り上げ、左手片手で建水に湯を捨てる。

24、茶巾を右手で取り、茶碗を大きく三回半拭き清める。

25、茶碗に茶巾を入れ、左手を添えて茶碗を台にのせ、茶巾を釜の蓋の上に置く。

■茶を点てる■
26、右手で茶杓を取り、左手を畳に軽くおき、頭を下げ「お菓子をどうぞ」とすすめる。

27、茶入を左手で取って、茶碗の左上で蓋を取り、茶碗の右側に置く。

28、茶を三杓すくい茶碗に入れ、茶杓を茶碗の縁にかけておき、回し出す。
  口を指で清めて蓋をして水指前左側に戻す。
  茶杓を持ち替えて茶をならし、茶碗の縁で静かに打って茶を払う。

29、茶杓を茶入の上に戻す。

30、右手で水指の蓋、左手で横、右手で10時を持ち(三手)、水指の左側に置く。

31、柄杓を上から取り水を一杓釜に差し、湯を汲み、茶碗に入れる。
  残りを釜に返し、切り柄杓で釜にあずける。

32、その手で茶筅を取り、茶を練る。
  途中茶筅を左側に預けて湯を足して練り、茶筅を元の位置に戻す。
 
33、貴人台を右手左手と持ち、取り上げて客付に回り、台縁を右向こう左手前と上で回して定座に出す。左膝右膝と一膝退いて両手を畳につけ控える。

○ 半東は、このお茶を取りに出て、貴人にさしあげる。
(右向こう左手前と台を下で回して一膝退き一礼し、元の座に戻って控える)

●貴人の喫み方は法なしといいますが、お稽古の場合は、お茶が出されると、まず取り次がれた貴人台を両手に取り上げ、縁内次客の間に取り込み、、次客に「お先に」と次礼し、正面に置き、「お点前ちょうだいします」(真)と挨拶し、貴人台を右膝頭に置いて茶碗を取り上げ、左手にのせ感謝の気持ちでおしいただき、正面をさけ時計回りに回しいただく。

34、亭主はこれを受ける。(行のおじぎ)

35、客の一口で亭主は服加減を尋ね、控える。
  喫み切りを聞いて居前に戻り、水を一杓釜に差し引き柄杓、帛紗を腰につける。

● 客は茶を喫み、最後に吸い切りをして、喫み口を指先で清め、その指先を懐紙で清める。茶碗の正面をただし、縁外に置き、拝見をする。茶碗を左掌にのせ、正面を正し(反対に回す)、出された位置に返す。

○ 半東は、茶碗拝見が終わるとこれを亭主に戻す。

36、貴人台が返ると、客付に回り貴人台を右左と取り、両手で持ち、居前に回り下に置く。総礼。

37、湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓。

38、左手を添えて右手で茶碗を取り、左一手で湯を建水にあける。

39、茶碗を左手を添えて右手で下に置き、「おしまいさせていただきます」と、しまいの挨拶をする。

■しまいつけをする■

40、右手で柄杓を取り、水指から水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓で釜に預け、しまいの茶筅通しをする。

41、茶筅を茶入の横に置き、

42、建水に水を捨て、右手で茶巾を取って、茶碗に入れる。

43、茶筅をとじ目を上にして茶碗に入れ、

44、右手で茶杓を取り、持ったまま左手で建水を下げる。

45、帛紗を捌き、 茶杓を清め、茶碗にふせて置く。

46、帛紗の茶粉を建水の上で払い、腰につける。

47、茶入を右手で、棚の前右寄りに置く。

48、貴人台を右左と両手で取り上げ、右手を控え、茶入の左側に置き合わす。(本仕舞)

49、釜から取り柄杓、水指から水を汲み、釜に水を一杓さす。

50、そのまま湯返し。

51、柄杓を構え、釜の蓋を閉め、柄杓を蓋置に引く。

52、水指の蓋を右手で取り、左手に持ち替え三手で閉め、正客から「お棗、お茶杓拝見を」の拝見の挨拶があれば、受ける。

53、柄杓を右手で取り、左手に持ち替えて建水の上にたたみ、

54、蓋置きを右手で取り、左手横を持ち、建水の後ろへ置く。


56、貴人台を右手前、左手横と餅、右手横、左手前と持ち替えて、勝手付に割りつける。

57、右手で茶入を取り、左手にのせ、客付きに回る。

58、茶入を膝前に置き、帛紗を捌いて清める。

59、帛紗を膝前に置き、蓋を取り蓋裏をしらべ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう、手前と帛紗で清める。

60、帛紗を膝前に置き、蓋を閉め、茶入の正面を正し右手で出す。

61、帛紗は腰につける。

62、居前(正面)に回り、右手で天板の仕服を取り左手にのせ、右手で茶杓を仕服の上に手なりに置き、左手の親指で軽く押さえて客付に回り、右手で茶杓と仕服を一緒に持って茶入の右に出す。


  左手で柄杓を取り、右手に持ち替えて棚に荘る。
  左手で蓋置を取り、右手で棚の上左手前に荘る。

■水指に水をつぐ■

63、一膝勝手付に向き、建水を持ち、左足を立てて立ち、襖を開け、敷合わせで左足でこえてさがる。

○ 半東は建水を持って立った時、茶入、茶杓、仕服を自分の前に出された順序に取り込み、貴人に拝見に取り次ぎ、控えている。

64、右手左手と貴人台の縁に手をかけて取り上げて、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って、さがる。

65、水次を持って入り、棚前左に手なりに置く。

66、水指の蓋を右手で取り、左手で扱って、水指の左横に立てかける。

67、茶巾を水次の口にあて持ち上げ水指に水をつぐ。

68、茶巾を水次の蓋上に戻し、水指の蓋を扱って閉める。

69、水次を持って下がり、襖を閉め、拝見の返るのを水屋で待つ。

● 貴人は縁内に取り込むと、仕服の上の茶杓は外して、茶入れと仕服の間に置く。亭主が水屋に入ってから次礼して、茶入、茶杓、仕服の順に縁内で拝見する。

○ 半東は、拝見が終わると、これを亭主に戻す。茶杓と仕服は外して返す。 


■あいさつに答える■

70、亭主は拝見物を取りに定座に座り、貴人からの拝見物の問いに答える。
 「茶入のお形は?」「お窯元は?」「茶杓のお作は?」「ご名は?」

71、右手で仕服を取り、左手にのせ、右手で茶杓を乗せ、左手の親指で押さえる。
  右手で茶入を取る。

72、立ち上がり、拝見物を持ってさがり、茶道口に坐り、建付に拝見物を置き、主客総礼して襖を閉める。

2020年5月14日木曜日

風炉 貴人点 薄茶 


◆風炉・貴人点・薄茶◆
■貴人点について■
 「貴人点」は、高貴の方に対しての作法で、往昔は最も多く行われた点前。
  一概にはいえませんが、古い美術的に価値の高いものよりも清浄なものをよいとします。
 菓子器はすべて、足の高い高杯が約束で、白紙を折ってのせその上に菓子を盛ります。
  貴人に対して一人一碗が約束で、菓子器の高杯も一人づつとします。
 小習い十六ヶ条第一ヶ条。

■貴人とは■
 貴人とは、官位の高い人のことをいいます。
 日本でも戦前までは宮中を中心にして官位が定まっていました。明治憲法施行までは、一位から八位まであり、それに正、従があって十六階の階級がありました。
 新憲法にも位階令があるのですが、華族の廃止によって、新たな叙位は追賜や昇叙だけになっているそうです。
 現在、茶の湯では貴人と尊称するお方は皇族の方々の他には、世の中のために功績があって勲位を授与された方達のことをいいます。そうした身分の高い方にお茶を差し上げる時の点前を【貴人点】といいます。

■貴人畳■
 貴人がお座り頂く畳を呼び、神聖な場と認識します。

点前にかかる前の準備

・ 薄茶器に中高になるようにお茶を入れる。
・ 茶筅は、水で清める。
・ 天目茶碗を貴人台に載せ、茶巾、茶筅、茶杓を仕組む。
・ 水指に八分目の水を入れる。
・ 柄杓を準備。(柄のつき方は月形。合が大ぶりで身の方を斜めに切ってある)
・ 棚を貴人畳のへりから畳の目数十六目向こうに揃える。
・ 地板に水指、天板に棗を飾る。
・ 水次を用意し、茶巾を蓋上にのせておく。
・ 釜の蓋をきっておく。
・ 帛紗を腰につける。

● 菓子は高杯に干菓子を盛り、お席入りと同時に持ち出す。
点前

■茶碗を運び出す■

1、茶碗を載せた貴人台を建付けに置き、襖を開け、両手を揃えて一礼する。(真)

2、右手左手と貴人台をの縁(絵矢印部分)に手をかけて取り上げてから、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って運び出す。右膝から立ち上がり、畳の中央を進み、正面に坐る。

3、右手を台縁右方に持ち替えて、左手を少し手前にひかえて、勝手付左方に両手で仮置きする。

4、次に天板の棗を右手で下ろし、棚前正面、右寄りに置く。

5、仮置きの貴人台を右手横、左手前と取り上げ、左手横、右手前と持ち替えて、棗と置き合わせる。

6、左膝から立ち上がり、水屋にさがる。

7、建水を左手に持って席入りし、襖を開けたまま、居前(正面)に坐り、手なりに建水を置く。

8、左手で柄杓をとり、切り止めに右手を添え、構え(鏡柄杓)右手で建水の中の蓋置を取り、柄杓の内側を通り、敷板の角「出ず入らず」のところに置く。

9、柄杓を蓋置きに斜めに引く。カツン、ポトン。

○ 半東は、このあたりで茶道口を開け、一礼してにじり入って、踏込畳に斜めに座って両手をついて控える。

10、左手で建水を膝前の線まであげて、居ずまいを正し、

11、貴人台を右手前、左手横と持って取り上げ、右手を横にして膝前少し向こうに移動させる。

12、棗を半月に取り、茶碗と膝の間に置く。

13、左手で腰の帛紗を取り、捌(さば)く。そのまま帛紗を握り込み、左手で棗を取り、清める。

15、帛紗を捌き直して左手に持ち、右手で茶杓を取り、清め、棗の上に置く。

16、右手で茶筅を取り、棗の右側に置き合わせる。

17、帛紗を左手の人差し指と中指の間にはさんだまま、柄杓を右手で取りかまえ、右手で帛紗を取り、釜の蓋にのせ、開け、露をきる。

18、蓋を蓋置に置き、帛紗を建水の方に置き、釜の蓋の上に茶巾をのせる。

19、柄杓を持ち直し、湯を汲み、茶碗より合一つ分上に持ってきて、湯を茶碗に入れる。柄杓を釜にあずけ、

20、右手で茶筅を取り、左手を軽く茶碗に添えて茶碗を右手で一度打つ。

21、右手左手と両手で台縁を持って手前に寄せ、

22、左手を茶碗に添え、茶筅通しを二度上げ三度打ちして、穂先を清める。茶筅を元の位置に戻す。

23、茶碗を右手で取り、左手も添えて取り上げ、左手片手で建水に湯を捨てる。

24、茶巾を右手で取り、茶碗を大きく三回半拭き清める。

25、茶碗に茶巾を入れ、左手を添えて茶碗を台にのせ、茶巾を釜の蓋の上に置く。

■茶を点てる■
26、右手で茶杓を取り、左手を畳に軽くおき、頭を下げ「お菓子をどうぞ」とすすめる。

27、棗を左手で取って、茶碗の左上で蓋を取り、右ひざ前に置く。

28、茶を二杓ほどすくい茶碗に入れ、茶杓を持ち替えて茶碗の縁で静かに打って茶を払う。

29、棗の蓋をし、左手で置き、茶杓を棗の上に戻す。

30、右手で水指の蓋、左手で横、右手で10時を持ち(三手)、水指の左側に置く。

31、柄杓を取り、湯を汲み、茶碗に入れる。残りを釜に返し、切り柄杓で釜にあずける。

32、その手で茶筅を取り、茶を点てる。茶筅は元の位置に戻す。
 
33、貴人台を右手左手と持ち、取り上げて客付に回り、台縁を右向こう左手前と上で回して定座に出す。左膝右膝と一膝退いて両手を畳につけ控える。

○ 半東は、このお茶を取りに出て、貴人にさしあげる。
(右向こう左手前と台を下で回して一膝退き一礼し、元の座に戻って控える)

●貴人の喫み方は法なしといいますが、お稽古の場合は、お茶が出されると、まず取り次がれた貴人台を両手に取り上げ、縁内次客の間に取り込み、、次客に「お先に」と次礼し、正面に置き、「お点前ちょうだいします」(真)と挨拶し、貴人台を右膝頭に置いて茶碗を取り上げ、左手にのせ感謝の気持ちでおしいただき、正面をさけ時計回りに回しいただく。

34、亭主はこれを受ける。(行のおじぎ)

35、客の一口で亭主は帛紗を左手で取り、腰につける。

● 客は茶を喫み、最後に吸い切りをして、喫み口を指先で清め、その指先を懐紙で清める。茶碗の正面をただし、縁外に置き、拝見をする。茶碗を左掌にのせ、正面を正し(反対に回す)、出された位置に返す。

○ 半東は、茶碗拝見が終わるとこれを亭主に戻す。

36、貴人台が返ると、右左と一膝進んで貴人台を右左と取り、両手で持ち、居前に回り下に置く。

37、湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓で釜に預ける。

38、左手を添えて右手で茶碗を取り、左一手で湯を建水にあけ、正客から「おしまいください」の挨拶があればこれを受ける。

39、茶碗を左手を添えて右手で下に置き、あらためて「おしまいさせていただきます」と、しまいの挨拶をする。

■しまいつけをする■

40、右手で柄杓を取り、水指から水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓で釜に預け、しまいの茶筅通しをする。

41、茶筅を棗の横に置き、

42、建水に水を捨て、右手で茶巾を取って、茶碗に入れる。

43、茶筅をとじ目を上にして茶碗に入れ、

44、右手で茶杓を取り、持ったまま左手で建水を下げる。

45、帛紗を捌き、 茶杓を清め、茶碗にふせて置く。

46、帛紗の茶粉を建水の上で払い、腰につける。

47、棗を右手で、棚の右寄りに置く。

48、貴人台を右左と両手で取り上げ、右手を少し控えて、棗の左側に置き合わす。

49、釜から取り柄杓、水指から水を汲み、釜に水を一杓さす。

50、そのまま湯返し。

51、柄杓を構え、釜の蓋を閉め、柄杓を蓋置に引く。

52、水指の蓋を右手で取り、左手に持ち替え三手で閉め、正客から「お棗、お茶杓拝見を」の拝見の挨拶があれば、受ける。

53、柄杓を右手で取り、天板に荘る。(合をふせ、斜めにする)

54、蓋置きを右手で取り、左手にのせ、棚の正面に向く。

55、蓋置を右手に持ち替えて、天板に荘り(柄杓の合の左下)

56、貴人台を右横左手前で、勝手付に割りつける。

57、棗を取り、左手にのせ、客付きに回る。

58、棗を膝前に置き、帛紗を捌いて清める。

59、帛紗を握りこんで蓋を取り、蓋裏をしらべ、蓋を膝前に置き、棗の口を向こう、手前と帛紗で清める。

60、帛紗を握りこみ、蓋を閉め、帛紗を膝前に置き、棗の正面を正し右手で出す。

61、帛紗は腰につけずに、そのまま右手で取って左手にのせたままで、

62、居前(正面)に回り、左掌の帛紗の上に茶杓をのせて、客付に回り、右手で棗の右に置く。


■水指に水をつぐ■

63、建水を持ち、左足を立て、立ち上がり、敷合わせで左足でこえてさがる。

○ 半東は建水を持って立った時、棗、茶杓を自分の前に出された順序に取り込み、正客に拝見に取り次ぎ、控えている。

64、右手左手と貴人台の縁に手をかけて取り上げて、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って、さがる。

65、水次を持って入り、棚前左に手なりに置く。

66、水指の蓋を右手で取り、左手で扱って、水指の左横に立てかける。

67、茶巾を水次の口にあて持ち上げ水指に水をつぐ。

68、茶巾を水次の蓋上に戻し、水指の蓋を扱って閉める。

69、水次を持って下がり、襖を閉め、拝見の返るのを水屋で待つ。

● 正客は棗、茶杓と縁内に取り込み、亭主が水屋に入ってから次礼して、棗、茶杓の順に縁内で拝見をし、終わると、帛紗を茶杓から離し、出された反対に返す。 

○ 半東は、拝見が終わると、これを亭主に戻す。茶杓から帛紗は外して。 

■あいさつに答える■

70、亭主は拝見物を取りに定座に座り、正客からの拝見物の問いに答える。
 「棗のお形は?」「お塗りは?」「茶杓のお作は?」「ご名は?」

71、まず、帛紗を腰につけ、右手で棗を取り、左手にのせ、右手で茶杓を持つ。

72、立ち上がり、拝見物を持ってさがり、茶道口に坐り、建付に拝見物を置き、一礼して襖を閉める。