2014年6月27日金曜日

風炉 初炭手前 唐金鬼面風呂と棚

風炉 初炭手前

2014年6月29日(日)お茶事 
~ 続き薄と初炭手前 ~

【 唐金鬼面風炉(からかねきめんぶろ) 】


鬼面風炉(きめんぶろ)は、風炉の形状のひとつで、切合(きりあわせ)で、乳足(ちあし)、鐶付が鬼面で仕付鐶になった風炉です。
鬼面風炉は、中国より渡来した最も古い形といわれ、真正の風炉とされました。
鬼面風炉は、台子(だいす)に用いられ、台子風炉とも呼ばれました。
鬼面風炉は、鉄のものもあります。




【 準備 】


炭斗(すみとり)
炭斗(⑥胴炭の下に③管炭、その下に②枕炭)

・炭
 ①香台
 ②枕炭
 ③管炭(くだずみ)
 ④丸毬打(まるぎっちょ)(大)
 ⑤割毬打(わりぎっちょ)
 ⑥胴炭
 ⑦点炭(止炭)
 ⑧枝炭5本

・火箸
・かん
・羽根
・香合(白檀3枚)

懐中に紙釜敷き(表が外側、輪が左)


棚と水指

【 手前 】

道具を運び出す

炭斗を茶道口建付けに置き、一礼。
両手で炭斗を持ち、棚の前に置く。

「ハ・カン・バシ・コウ・カマノフタ」と言うけれど、鬼面風炉の場合は、 「ワ・ハ・カン・カマノフタ」。

鬼面風炉の輪を、右、左、と下げる。

箒を右手で取り、炭斗の手前に手なりに置く。


香合を右手で取り、左手で扱って、右手で蓋置を置く位置に置く。

帛紗を捌き、右手で釜の蓋を閉め、帛紗を腰に付ける。


釜を下して、初掃き(しょばき)をする


右手で鐶の両横を取り、両手で左右に割って、釜にかける。(90度回す)

鐶を上にあずける。


懐中している紙釜敷を、右手の親指を上にして、下のわさを下からもって取り出し、左手の親指と右手の親指が合うように扱い、右手で炭斗の前に手なりに置く。

一膝進み、鐶を持って、釜を紙釜敷の上に下ろす。

釜に鐶をあずけて、釜正面に向き、釜を点前畳の半畳の中心より上座まで引く。
この時、紙釜敷と畳の縁が平行になるように。

鐶を外して重ね合わせ、匕首に右手の親指がくるように持ち、右手で釜の右横に置く。
この時、釜と鐶が畳半畳の中心を割るようになる。

風炉正面に戻り、右手で羽箒を取って、鬼面風炉の初掃きをする。
①左側 羽箒の下面で
②右側 羽箒の上面で
③前側 羽箒の上面で

羽箒を炭斗の前に手なりに置く。

右手で火箸を取り、右膝頭で突いて持ち直し、下火を直す。
▽を△にするつもりで。右上の炭を左手前に置く。

炭をついで、香をたく

胴炭を火箸で左手を添えて持ち、両手で持って、手前に一文字につぐ。

丸毬打を胴炭の左向こうに

割毬打を胴炭と皮目を合わせるようにつぐ

点炭を炭斗の中で外し、
丸管炭を取って、右向こうから胴炭にもたせ掛ける。

枝炭をとり、丸管炭に添わせるようにつぎ、

最後に止炭(点炭)を丸管炭の右側につぐ。

(枕炭と香台は炭斗に残る)


火箸を右膝頭で突いて持ち直し、炭斗に戻す。

羽箒を取って、後掃き(ごばき)をする。

鬼面風炉の上の
①左側 羽箒の下面で
②右側 羽箒の上面で
③前側 羽箒の上面で
鬼面風炉の窓の
④ 左側 羽箒の下面で
⑤右側 羽箒の上面で
⑥前側 羽箒の上面で
羽箒を炭斗に戻す。

右手で香合を取って、左掌に乗せ、蓋を開けて、右膝前に置く。

右手で火箸を上から取り、右膝前(蓋の内側)で突いて持ち直し、香を取る。

一枚は胴炭の上、
一枚は奥の灰の上、
一枚は香合に残す。

ふたたび火箸を右膝前で突いて持ち直し、炭斗に戻して、香合の蓋を閉める。

この時、正客から香合の拝見を請われると、左手に香合をのせたまま受ける。

客付に回って、香合を手前に回し、客の方に正面を向けて貴人畳の角に出す。


釜を風炉にかける

そのままの位置で、右手で鐶の両横を取り、両手で左右に割って、釜にかける。

釜を初めに下ろした位置まで引き寄せ、
鐶をあずけて風炉正面に向き、
釜を風炉にかける。

鐶を釜にあずけ、右手で紙釜敷を取り、左手に渡して、炭斗の上で右手の指先で軽くはじき、塵打ちをする。

紙釜敷の下のわさを右手で下から持ち直し、元のように横のわさが外になるように懐中する。

釜のゆがみを正し、鐶を外して重ね合わせ、合口の内側に右手の四本の指を揃えて持つ。

鐶の合口を上にして、右手で炭斗の中、手前中央にもたせかけて置く。

一膝下がって、羽箒を取り、羽根の裏で釜の蓋を「ア」の字を書くように掃いて、羽箒を炭斗に戻す。


道具を下げる

炭斗正面に座って、両手で炭斗を持ち、水屋に下がる。

炭斗が水屋に引かれると、正客は次礼をし、香合の拝見をし、返す。


拝見の挨拶をする

茶道口に座り、香合が戻ると、右膝から立って取りに行く。

風炉正面に座り、
鬼面風炉の鐶を下から上げる。 
帛紗を捌いて、釜の蓋を切り、帛紗を腰につける。

香合の正面に回り、正客に一礼をして問いに答え、右手で香合を取って、左掌に乗せ、右手を添えて持ち、茶道口に下がる。

香合を建付けに置き一礼をして襖を閉める。











炭と灰

■ 風炉(ふろ)

夏季に席中で湯を沸かすためのもの。灰も火付きのいいように、また景色とするために風炉の種類によって様々に形作られます。

風炉の種類 も素材によって分けられ、
・土風炉(どぶろ)
・唐銅風炉(からかねふろ)
・真鍮風炉(しんちゅうふろ)
・鉄風炉
・板風炉などに大別されます。


また、風炉の各部により、
「火口」には木瓜(もつこう)・丸・三角・四角・菱・扇面・団扇・松皮菱・香炉・末広など、
「鐶付(かんつき)」には鬼面・獅子面・竜・象・賽・はじき・遠山・松笠・法螺貝・兎・蝙蝠・蝶など、
「足」には乳足・軸足・象足・鬼面足・獅子面足・蝶足・唐子足・丸足などがあります。

風炉は、その種類によって灰型を使い分けます。
(鬼面風炉の灰型は、二文字掻上灰、または、丸灰掻上)

火口を引きしるための装飾と点前座のほうへ火気が発散しないように
前土器(まえかわらけ)を用います。


また、台子、長板など棚物に風炉を据えるもの以外に風炉を据えるときは、必ず敷板の上に据えます。

■ 道具炭




■ 炭の名称


・胴炭(どうずみ)   
 道具炭の中で最も大きく、風炉・炉ともに初炭に用いる。

・丸管炭(まるくだずみ)   
 胴炭と同寸の細い炭で、風炉には初炭で使い、炉では初炭・後炭共に割管炭と一緒に用います。

・割管炭(わりくだずみ)   
 胴炭と同寸で、丸管炭を縦に割ったもの。風炉の場合は後炭に用います。

・丸毬打(まるぎっちょ)   
 胴炭に比べて細く長さも半分で、風炉では初炭・後炭共1本、炉ではともに2本用います。

・割毬打(わりぎっちょ)   
 丸毬打を立て半分に割ったもので、風炉・炉共に初炭・後炭に1本用います。

・点炭(てんずみ)   
 丸毬打の細めの炭で、風呂・炉共に初炭・後炭に1本用います。
 炭手前の最後につぐ炭で、止炭(とめずみ)とも言います。

・枕炭(まくらずみ )  
 炭斗(すみとり)に炭を組む時、最初に置く炭で、割毬打を使います。
 炭斗に炭を組むだけで、風炉・炉中には入れません。

・香合台(こうごうだい)   
 丸毬打の太めの炭で、香合をのせるのに用います。
 炭斗に炭を組むだけで、風炉・炉中には入れません。

 ・枝炭(えだずみ)   
 ツツジやコナラなどの枝を焼き、胡粉または石灰を塗って化粧を施した炭。
 景色として、また導火炭としての役割があります。

・輪胴(わどう)
 丸毬打よりも太めので、風炉・炉共に後炭に用います。


■ 炭道具


底土器(そこかわらけ)
    風炉の底に入れ、断熱の役割をします。底瓦とも言います。

前土器(まえかわらけ)
    前瓦とも言い、半円形の素焼または雲華焼の土器で、風炉の火窓の内側、五徳の左右の爪の間に立てて、火気をさえぎる役割をします。

灰形用灰匙(はいがたようはいさじ)
    風炉の灰形専用の灰匙で、灰の形を整えるのに使います。やや小ぶりに作られ、素材は銅製が多いようです。

小羽箒(こはぼうき)
    小羽(こばね)とも言い、火入や風炉の灰際を整えるのに用います。

五徳(ごとく)
    釜を火にかけるための台。

手焙(てあぶり)
    手炉とも言い、炉の時季に腰掛待合や席中で使用する小型の火鉢。

炭斗(すみとり)
    炭を入れる器のこと。唐物と和物に大別されますが、いろんな種類があります。多くは竹や籐のかごに内張りをして漆をかけたものが使われる。

羽箒(はぼうき)  
    羽で作った箒(ほうき)。ふつうは羽を三枚重ねたもの。

鐶(かん)
    釜の上げ下ろし用の金属製の輪。

香合(こうごう)
    香を入れるための蓋付きの器。陶磁器・漆器・木地・竹・瓢箪・金属・貝類・牙類と素材はさまざま。

釜敷(かましき)
    釜の熱や汚れで畳を損なわないように敷くもの。釜式にも和物・唐物があり、素材には組物・紙・竹・紐などがあります。

灰器(はいき)
    蒔灰を盛る器。風炉の灰形の景色として蒔く「藤灰」や、炭火の火付けを良くするために蒔く「湿し灰(しめしばい)」を入れるための器。

半田(はんだ)
    風炉と炉の火を整えるときに用いる大ぶりの灰器。

焙烙(ほうろく)
    素焼きの平たい円形の器で、灰器として用いる。

水屋の炭道具
    箱炭斗(はこすみとり)、掴み羽箒(つかみはぼうき)、水屋鐶(みずやかん)、長火箸(ながひばし)、板釜敷(いたかましき)、香溜(こうだめ)、底取(そことり)


■ 灰の種類


風炉灰(ふろばい)

    ふくさ灰ともいい、生灰(きばい)を目の細かい篩(ふるい)に通して、水で一度攪拌してアク抜きをし、浮いたゴミを取り除き、沈殿した粒子の細かい灰を天日干しして、絹篩にかけたもの。

藁灰(わらばい)

    稲藁の太くて芯が硬い、丸みを帯びた真っ直ぐなものを選び、塩水に浸したあと、水気を切り焙烙に並べて蓋をし、蒸し焼きにしたもの。

藤灰(ふじばい

    化粧灰とも言い、樹皮をはいだ藤を焼いたもの。風炉の蒔灰(まきばい)に化粧として用いる。

炉灰(ろばい)

    炉の下地灰で、アク抜きをして貯えたもの。

湿し灰(しめしばい)

    貯えた炉灰に湿り気を与えたもの。
    アク抜きをした灰を拡げて天日で乾かし、粗めの篩に通してゴザか上敷の上に拡げ、煮出した番茶をジョウロでまんべんなくかかけ、手でモンで全体を湿します。この作業を数回繰り返して程よい湿り気を残して篩に通し、カメに保存します。
    湿し灰は火のおこりを良くし風情が加わるので、炉の灰の仕上げ・炉の蒔灰に使用します。

(縄灰(なわばい)

    藁をなった縄を燃やしたもの。手焙りや火鉢に用います。

(籾灰(もみばい)

    籾殻をくすベて作った灰。
    縄灰と同じく、手焙りや火鉢に目先を変えるために用いることもあります。