2009年2月17日火曜日

大炉 逆勝手 薄茶 (筒茶碗)

2009年2月17日(火) 炉 逆勝手 薄茶 筒茶碗

軸:煙霞不遮梅香(えんかばいこうをさえぎらず)
  (意味)

   霞がかっていてその姿は見えなくても、梅の花の馥郁たる香りはどこまでも広がり
人々の心を和ませてくれます。
   徳のある人の芳香は何によっても遮られることなく自然に伝わってきます。



2016年2月6日(土) 南草津の瀬川さん宅にて

大炉 逆勝手 薄茶
軸:紅炉一纏の雪


花:白梅・椿
棚:丸卓(まるじょく)
茶入:梅蒔絵の吹雪/梅月棗

茶杓:仙叟 (下萌)




 【 準備 】

帛紗は右側に付ける。
正面の棚の上に棗を飾り、

お菓子を運ぶ:
 左足から入り、
 主客の前に置き一礼、
 右足から一膝下がって立ち退室
ふすま閉める。

柱つきに茶碗を置き、ふすまを開ける。一礼。
左足を立て、敷居まで右足を進め、左足から入る。


茶碗(茶碗に茶巾・茶筅・茶杓納める)を持ち運び、
点前に座り(畳の中心)、
茶碗を右横・左横・右手前で勝手つき(右側)に置く。

茶碗と棗を置き合わせる。(棗は水指しの左前の畳、茶碗右手前・左・右で水指しの右前の畳)

右足を立て、斜め後ろに引き、左回りに回って、右足から敷居を超えて下がる。



右手で建水を持ち、ふすまを閉める。
点前に座り(炉壇の内隅中心か鐶付狙いで)、
右手で建水をいつもの位置へ置く。

右手で柄杓を取り構え、
右手で蓋置を炉口の左角(-3、3目)に置き、
柄杓置き(膝線平行)、建水をくりあげ(縁の上で壁から15㎝くらい)、居住まいを正す。


置きあわせ(茶碗ー右・左・右で膝前、棗は右で取り茶碗の下に置く)

【 帛紗 】

右手で帛紗を上に折り上げ、引き抜く。
右手を左手の上に返し、帛紗さばき。帛紗が縦の時は右膝の上で。
ふくささばき、
棗を清め水指しと炉の間の左前におく。

ふくささばき直し、茶杓拭き、棗の上に置く。
その横に茶筅出し置き、茶碗下げる。

ふくさを右膝横に仮置き。
左手柄杓を取り構えて、右でふた置き縁内(-3、-5目)に下げる。
ふくさ取り釜の蓋あける。
ふくさを建水と体の間に置き、茶巾を釜の蓋の上に出し置く。
  
湯をくみ、茶筅通し(コン、見上げてコン、2回、いりのしで抜く)

左で茶碗持ち、湯を捨て、右手で茶巾取り、右膝頭で拭く(3回半)。
茶碗置き、茶巾釜の蓋の上に置く。

茶杓持って「お菓子をどうぞ」

客:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」点主に「頂戴致します」懐紙をだし膝前に置きお菓子を取り置く。次客との間にお盆を置く。いただく。

左でなつめを取り、茶杓を握りこんで蓋を取り、
茶碗の真下に置き(お客様から見えるように)、茶をくむ(1杓半)。
茶碗の縁でコン。

なつめを置き、茶杓を置く。

水指しの蓋を三手で開け(つまみ・9時・2時)右側に立て掛ける。
右手で柄杓を取り、お湯を入れ茶を点てて、左手で出す。

お客:取り込み、次客との間に置き、「お先に」膝前に置き「お点前頂戴致します」少しまわして(正面を避ける)いただく。飲み終わったら縁外にだし拝見する。

一口でふくさを右の腰につける。

客:茶碗を返す。

茶碗取り込み湯をくみ右手で捨てる。

客:「どうぞおしまいを」

片手をついて一礼。茶碗をおいて「しまわせていただきます」

取り柄杓で水をくみ、茶筅通し(1回)、
左で水を捨て右で茶巾取り納め置き、 茶筅入れ、
茶杓握りこんで建水さげる。

ふくささばき、茶杓拭き茶碗にふせる。払って腰につける。

おきあわせ(右手で水指しの左前になつめ、右前に茶碗ー右、左、右)

釜に水1杓入れ釜の蓋閉める。
蓋置き縁外(-3、3目)に出し、左で柄杓蓋置きに置き、水指しの蓋閉める。

客:「おなつめ、お茶杓拝見を」

柄杓けんすいにふせて、左で蓋置き取り右扱って左手に乗せ正面に回リけんすいの下に置く。

茶碗左1手で勝手つきに割る。

なつめ持って客つきへ向く。
ふくささばきふく(蓋を拭いたらふくさ握りこんで蓋を取り縁を拭く。蓋をしてなつめを出す。

 ふくさを右腰につけ正面に戻り右で茶杓を取り、左にもたせて客つきまわり右でだす。

正面へ戻り、右手に柄杓、蓋置き持ち、左でけんすい持って右側のまま一膝下がって立ってまわり、退室。

客:なつめ、茶杓とりこむ。

茶碗持ってさがる。
水注持ってくる。(持ち手は右側で。右手で茶巾を取り左手に持たせる)
下がりふすまを閉める。

客:道具拝見(なつめー縁外に置き、一礼、蓋をとって裏書き・花押を拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ー縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。返す。

替え茶器を膝前にして、座って待つ。
ふすまを開けて入室。
替え茶器を棚の中棚に飾ってから、客つき正面へ座る。

客:「おなつめのおなりは?」
点主:「利休好みの中なつめ」
客:「お塗は?」
点主:「ひょうかん」
客:「お茶杓のお作は?」
点主:「ほううんさい宗匠」
客:「ご名は?」
点主:「梢の錦」
客:「ありがとうございました」

左手になつめを受けて、右手で茶杓持ってさがる。
柱つきになつめ、茶杓置き総礼。ふすま閉める。

2009年2月12日木曜日

蓋置

七種蓋置


 七種蓋置(しちしゅふたおき)とは、千利休が選んだと称されている、
「火舎(ほや)」、
「五徳(ごとく)」、
「三葉(みつば)」、
「一閑人(いっかんじん)」、
「栄螺(さざえ)」、
「三人形(みつにんぎょう)」、
「蟹(かに)」
の七種類の蓋置です。
七種蓋置には、それぞれ特別な扱いがあります。

火舎(ほや)

火舎蓋置(ほやふたおき)とは、火舎のついた小さな香炉を蓋置に見立てたものです。
火舎は、火屋・穂屋とも書き、香炉・手焙・火入などの上におおう蓋のことで、蓋のついた香炉のことを火舎香炉と呼びます。
火舎蓋置は、七種蓋置のうち、最も格の高いものとして扱われ、主に長板や台子で総飾りをするときに用います。

 

五徳(ごとく)

五徳蓋置(ごとく ふたおき)とは、輪に三本の柱が立ち、その先端が内側に曲がり爪状になっている蓋置です。
五徳蓋置は、炉や風炉中に据えて釜を載せる五徳をかたどった蓋置です。
五徳蓋置は、火卓とも書き、隠家、隠架、陰架(いんか、かくれが)ともいいます。
五徳蓋置は、火舎蓋置に次ぐ格の蓋置として、台子、袋棚にも用いられますが、透木釜、釣釜を使う炉の場合や、切合の風炉の場合など、五徳を使用しない場合に用います。
五徳蓋置は、三本の爪のうちひとつだけ大きな爪がある場合は、それを主爪といいます。

三葉(みつば)

三葉蓋置(みつば ふたおき)とは、大小の三つ葉を上下に組み合わせた形の蓋置です。
三葉蓋置は、ふつうは大きな三つ葉形と小さな三つ葉形が背でくっついた形で交互についています。

一閑人(いっかんじん)

一閑人蓋置(いっかんじん ふたおき)とは、井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついた蓋置です。
一閑人蓋置は、一看人、一漢人とも書き、井看人(せいかんじん)、井戸覗(いどのぞき)とも、惻隠蓋置(そくいんのふたおき)ともいいます。

惻隠蓋置とは、人形を井戸に落ちそうな子供に見立て、『孟子』公孫丑上の
「人皆有不忍人之心。 今人乍見孺子將入於井、 皆有怵惕惻隱之心。
 無惻隱之心、非人也。 惻隱之心、仁之端也」にかけて洒落たものです。
【読み】
ひとみなひとにしのびざるのこころあり。 いま、ひとのたちまちじゅしのまさにせいにいらんとするをみれば、みなじゅつてきそくいんのこころあり。 そくいんのこころなきは、ひとにあらざるなり。 そくいんのこころは、じんのたんなり。
【意味】
人にはみな人に忍びないと思う心がある。 今、人であるものが、今にも井戸に落ちようとしている幼な子を見たとしたら、みな憐憫の情、可哀相と感じる心を持つものだ。 憐れみの心がない者は、人ではない。 憐れみの心は、仁であることの始まりである。

一閑人蓋置は、人形の代わりに龍・獅子などが付いたものもあり、また、人形のないものは井筒(いづつ)、無閑人(むかんじん)などともいいます。


栄螺(さざえ)

栄螺蓋置(さざえ ふたおき)とは、栄螺の形をした蓋置です。
栄螺蓋置は、栄螺貝の内部に金箔を押したものを使ったのが最初といわれ、のちにこれに似せて唐銅や陶磁器でつくたものを用いるようになったといわれます。
栄螺蓋置は、置きつけるときは口を上に向けて用い、飾るときは口を下に向けて飾ります。

「さざえの尻炙り」 炉の時、火の方に尖った方を向ける


三人形蓋置(みつにんぎょう ふたおき)

三人形蓋置(みつにんぎょう ふたおき)とは、三人の唐子が外向きに手をつなぎ輪になった形の蓋置です。
三人形蓋置は、三閑人・三漢人・三唐子ともいいます。
三人形蓋置は、中国では筆架・墨台で文房具の一つで、それを蓋置に見立てたものです。
三人形蓋置は、三体の内の一体だけ姿の異なる人形があり、その人形を正面とします。


蟹蓋置(かに ふたおき)

蟹蓋置(かに ふたおき)とは、蟹の形をかたどった蓋置です。
蟹蓋置は、文鎮や筆架などの文房具を蓋置に見立てたものといいます。
蟹蓋置は、蟹の頭のほうを正面とします。
蟹蓋置は、東山御物にあり、足利義政が慈照寺の庭に十三個の唐金の蟹を景として配し、その一つを紹鴎が蓋置に用いたのがその始まりと伝えられます。