2021年11月16日火曜日

炉 貴人清次 薄茶

準備
貴人台、貴人茶碗(茶巾、茶筅、茶杓)
供茶碗(千鳥茶巾と煤竹の茶筅
懐に千鳥板(懐紙の間に。模様が外側)

棚:秋泉棚(中棚が流水形)、棗、水指、

水注(やかん)

★貴人台は両手で扱う(右左の順)


点前
棚の中段に棗、下段に水指

お菓子を運ぶ:主客の前に置き一礼、一膝下がって立ち退室


貴人台に貴人茶碗をのせて総礼。
水指
正面に座り、貴人台+茶碗を勝手付に仮置、
棚中段の棗を水指しの右前におろし、貴人台+茶碗を置き合わせ。

右手に供の茶碗を受けて持ち、左で 建水持って入り、襖閉める。
建水と茶碗は中心を割って置く。

外隅狙って座る。
建水置く。
供茶碗は左手で勝手付上の方に置く。

柄杓構えて蓋置き出し、炉口の右角(3目)に置き、柄杓置き(カツンポトン)、建水繰り上げる。
置き合わせ(茶碗ー両手で膝前、なつめー右で取り半月持ちで茶碗の下に置く)

帛紗さばき(草の帛紗さばき) 、棗を清め、水指と炉の間に置く。
帛紗さばき直し、茶杓清め、棗の上に置く。茶筅出して置く。

帛紗指に挟んで柄杓構えて、釜の蓋を開け、帛紗を建水と体の間に置き、茶巾釜の蓋に置き、湯を汲む。
茶筅茶碗に入れ、両手で下げる。
茶筅通し(コン、見上げてコン、2回、いりのしで抜く) 
湯を捨て、茶巾取り、茶碗を拭く(3回半)。
茶碗置き、茶巾を釜の蓋の上に置く。
茶杓持って「お菓子をどうぞ」

貴人:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」点主に「頂戴致します」懐紙をだし膝前に置きお菓子を取り置く。次客との間にお盆を置く。いただく。

左で棗を取り、茶杓を握りこんで蓋を取り茶碗の右下に置き茶をくむ(1杓半)茶碗の縁でコン。
棗を置き、茶杓を置く。
水指しの蓋を開け(2手)お湯を入れ茶を点てる。

貴人台を両手で持ち客付へまわり、右向こう左手前を持ち貴人台を空中で2回まわし、置き、左右と膝退して控える。

お供:取り込み、貴人の前に運び一礼。席に戻り控える。
貴人:左膝前に置き「お先に」、正面に置き「お点前頂戴致します」、右膝前に預けてお茶碗だけ取り、少しまわして(正面を避ける)いただく。飲み終わったら台にのせ、縁 外にだし拝見する。

一口で「お供の方にも一服差し上げます」
貴人:「ありがとうございます」

右左で膝行して点前に戻りふくさを右手で取り腰につける。
左右で供茶碗を取り、膝前に置き茶筅を建水の右肩に置き、
千鳥板を右手で懐から出し左手に乗せて右手3本指で置く。(客付の外隅畳2目)
千鳥茶巾を千鳥板の上に置く。

湯をくみ茶筅通し(1度見上げてカツンのの字、建水の肩に置く)茶碗ふく。
茶杓持って「お菓子をどうぞ」
お供:お菓子をいただく。貴人が飲み終わったら「お茶碗拝見を」縁内から縁外へ茶碗をだし拝見、右膝前に取り込んでおく。
お茶を点てその場から出す。
お供;貴人の茶碗を返して(上座に置く)茶碗、縁内正面に取り込み「お相伴致します」「お点前頂戴致します」
お供が席に戻ったら客付に向いて貴人茶碗を取り込み点前に戻り、湯 をくみ捨てる。
貴人:「どうぞおしまいを」
片手をついて一礼。茶碗をおいて「お仕舞い致します」

取り柄杓で水をくみ、茶筅通し(サラサラコツン1度見上げる)、水を捨て茶巾を納め、茶筅入れ、
煤竹茶筅を置き換える。

貴人台+茶碗を勝手付きに割る。
お供:茶碗を返す
お供が戻ったら茶碗取り込み湯を入れ捨てる。
お供:「どうぞおしまいを」
「しまわせていただきます」
水を入れ茶筅通し(サラサラコツンのの字、見上げない
茶碗に茶巾を納め、千鳥板を懐中に納め、煤竹茶筅を納め、茶杓持って 建水下げる。
茶杓拭き茶碗にふせる。
供茶碗で置き合わせ(水指しの右前になつめ、左前に茶碗ー右、左)(濃茶は主茶碗で置き合わせる)
釜に水1杓入れ湯返しし、釜の蓋閉める。柄杓蓋置きに置き、水指の蓋閉める。

貴人:「お棗、お茶杓の拝見を」

柄杓棚の上段に上向き飾り、蓋置を持って正面に回リ棚上段の柄杓の左下に置く。
茶碗を勝手付に割る(貴人茶碗の下)。


棗を持って客付へ向く。帛紗を捌きふく。蓋を拭いたら帛紗握りこんで蓋を取り縁を拭く。蓋をして棗を出す。
帛紗腰につけ、正面に戻り、茶杓を点前から出す。

正面へ戻り、供茶碗を右手に受け、左手に建水を持って立ち、退室。

お供:棗と茶杓を取り込み、貴人の前に運び一礼。席に戻り控える。 
貴人台+茶碗を持ってさがる。貴人に対して一礼。 

水注を持って入り、水指正面に座り、水を注ぐ(水注ぎを水指の左前に置き、水指を棚の前に出し、水指の蓋を2手で開け、水を注ぎ、蓋を閉め、下がり、襖を閉める。

客:道具拝見(棗ー縁外に置き、一礼、蓋をとって裏書き・花押を拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ーふくさごと縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。お供が返す。

襖を開けて入室。客付正面へ座る。

客:「お棗のお形は?」
点主:「菊桐蒔絵の中棗でございます」
客:「お塗は?」
点主:「宗哲でございます」
客:「お茶杓のお作は?」
点主:「鵬雲斎大宗匠でございます」
客:「ご名は?」
点主:「錦秋でございます」
客:「ありがとうございました」

左手に棗を受けて、右手で茶杓の下の方を持って正面向く。
茶杓を水指に仮置きし、棗を棚の中段に飾り、茶杓持って下がる。

茶杓置き総礼。襖閉める。

2021年8月4日水曜日

茶杓の御銘

🔶1月

 初心 福寿草 寒牡丹 初春 末広 雪の朝 福は内 梅だより 梅日和 北野の梅 薄氷 神楽 初花

🔶2月

 下萌 立春 雪間の草 芽吹き 北野の春 梅花祭 飛び梅 初音 笹鳴き こぼれ菊 早蕨 鶯宿梅※1

🔶3月

 春風 早蕨 五人囃子 流し雛 春霞 花筏 お水取り 春光 伊吹 芽吹き 花だより 花ごろも 夕霞

🔶4月

 岩根の躑躅 青楓 青葉 若葉 緑風 春霞 若緑 千代の春 春爛漫 花筏 花むしろ 颯々の聲 春の宵 夜桜 青苔(せいたい)

🔶5月

 薫風 青葉 岩根の躑躅 緑陰 ホトトギス 山躑躅 五月雨 早乙女 早苗 一声 葵祭 御所車 藤浪 麦秋 青楓 青嵐(せいらん)  八ツ橋(=菖蒲) 青田 濡れつばめ 初鰹

🔶6月

 蛍狩 水辺の蛍 雲間の光 梅雨の晴れ間 苔清水 岩清水 緑陰 七変化 あいの風 夏椿

🔶7月

 七夕 織姫 流星 天の川 笹舟 清流 岩清水 祇園囃子 長刀 あと祭り 氷室 青東風 千代の陰 

🔶8月

 打ち水 蝉時雨 空蝉 積雲 夕涼み ひぐらし 夏木立 走馬燈 赤とんぼ 秋津(あきつ トンボの別名)  野分 雲の峰

🔶9月

 虫の音 すすきが原 武蔵野 野分け 月の雫 萩の雫 こぼれ萩 初雁 夕霧 着せ綿

🔶10月

 山づと きぬた 実り 薄紅葉 月の桂(かつら)  武蔵野 鳴子 

🔶11月

 村紅葉 桂日 慶日 竜田川 錦秋 高雄 初霜 木守り 峰の松風 小倉山 深山路(みやまじ)

🔶12月

 初雪 福 冬籠り 巣篭り 千鳥 雪うさぎ まねき

🔷通年

 無事 不識 無事人(ぶじと)

◼️禅語

 一期一会 和敬清寂 和敬 円相 一円相 喫茶去 無事


※1 鶯宿梅 「勅(ちょく)なればいともかしこし鶯(うぐひす)の宿はと問はばいかが答へむ」

出典拾遺集 雑下・よみ人知らず・大鏡道長下・紀内侍(きのないし)


[訳] 紅梅を献上するようにという帝(みかど)のご命令ですから、お断り申し上げるのは非常におそれ多いことですが、もしこの紅梅に巣を作った鶯(うぐいす)が帰ってきて、私の家はどこへ行ったのかと尋ねたら、どのように答えたらよいのでしょう。