2013年8月23日金曜日

風炉 茶箱 (月点前)


2013年8月6日(火)
2014年8月26日(火)
2015年9月9日(水)重陽の節句 (着せ綿)
軸:蝉時雨
  清流無間断(せいりゅうかんだんなし)
花:矢筈ススキ・下野草(しもつけそう)・金水引

【準備】
建水:
鉄瓶:
火箸:
茶杓:
茶入:
茶箱、器据:
ウグイス、振出、茶筅筒、茶巾筒、小羽根、香合、古帛紗、帛紗、


● 茶箱点前は、雪、月、花、卯の花の四季四様があります
1 卯の花点前  うのはな 「卯の花点前」は、夏の季、茶箱の平点前といえるもの。
2 雪点前  ゆき 「雪点前」は,冬の季、伝物点前、盆を使わず、掛合を用いる。
3 月点前 つき 「月点前」は秋の季伝物点前、器据とウグイスを使い独特の雅趣がある。 
4 花点前 はな 「花点前」は,春の季、伝物点前、掛合がなく盆を使用する。
5 和敬点 わけいだて「和敬点」は道具も簡略にし茶箱の内で最も取組み易い。薄板を用いる。
6 色紙点 しきしだて 「色紙点」と,御所篭を用いた点前、茶巾箱と四枚の古帛紗を使う。

 点前にかかる前の準備

月点前は秋に寄せられて、裏千家11代家元の玄々斎が創案されました。
月点前は、器据(きずえ)という4枚綴りの板(左から①②③④)と、ウグイスという香道具に茶筅を立てて使うのが特徴で、茶箱の中ではもっとも優雅で美しい点前です。

器据とは、茶箱の蓋とほぼ同じサイズの板4枚を紫の打ち紐で2箇所ずつ打ち付けて繋ぎ合わせたもので、通常は重ねられているが(紐が右、結び目が下)、点前の際、パタパタと広げてその上に諸道具を広げてお点前をする(左から二枚目②が正面)。

 ウグイスとは、香道の七種道具の一つで、月点前では茶筅を器据の上に立てるために使用するU字型の金具。

箱の中には、
  • 仕覆に入れた棗
  • 長緒結びした袋に入れた茶碗
  • 茶筅筒
  • ウグイスを挿した茶巾筒
  • 振出しを仕込み、

掛合(かけごう)の
  • 中央に古帛紗、
  • その上に香合、
  • 小羽根、
  • 袋に入れた茶杓を置き、
  • 更にその上に草にさばいた帛紗をのせて、
蓋をする。

 香をたくので、点前座の敷板の上に火箸を置いておきます。 






【点前】
器据(紐が右)に載せた茶箱を柱つきに置き、ふすまを開ける。
総礼。
瓶かけ正面中央に置く
建水持って入る。(ふすまは閉めない)

点前に座り(畳の中心)、建水置く。

茶箱を勝手付きに置く。

器据を広げ、勝手付きから2枚目②の板が正面になるようにし、折り目を両手で押さえて整える。

箱の蓋を取って、瓶掛の右側に置く。

<小羽根>
右手で帛紗をとり、握りこみ、右手で小羽根を取り、器据の上を4度拭き清める。
(左から三枚①②③を三の字に、右の一枚④をカタカナのノに)

小羽根は蓋の上に斜めに置く。


左手の帛紗を、右手で器据の左端手前に置く。

掛合を箱と建水の間に置く。

<香合>
右手で中の香合を取り、左掌にのせ、蓋を取り、器据②の中央に置く。

右手で瓶掛前の敷板から火箸を取り、左手で扱い、香を焚き、火箸を元に戻す。

香合の蓋をして、小羽根と置き合わせる(「入」の字)。


振出しを右手でとり(左手を添えない!)、左手で扱ってまわして客付きに出して、主客総礼。 

<椀>
両手で箱から茶碗を出し、器据②の中央に置き、長緒扱いで茶碗を器据②に出す。

袋の緒は、片とんぼに結び、二つ折りにし、左手で箱中手前に入れる。

<棗>
茶碗の中の棗の仕覆の緒を一結びとき、左掌にのせ、もう一結びとき打留を引き、つかりをのばし、左掌で右左と仕覆の口を拡げて棗を取り出し、器据④中央に置く。

仕覆は打ち返さず、そのまま左手で箱に入れ、茶碗の袋に重ねて置く。

<茶杓>
右手で掛合の茶杓を取り、左手に預け、右手で袋から茶杓を出して器据④の棗の左に置く。

袋は、左手で先を手前に折り右手でそれにかけ、一結びして、左手で箱中の仕覆の上に置く。

 <茶筅筒>
その手で茶筅筒 を取り出し、右手に持ち替え、器据①の向こう右寄りに置く。

<茶巾筒>
左手で茶巾筒を取り出し、一手で茶筅筒の左に置き合わせる。


掛合を、古帛紗をのせたまま箱にかけ、箱・建水を向こうへ進め、居ずまいを正す。

 

右手で帛紗を取り、捌き直して、棗をふき(平棗の場合…帛紗を右脇で扱って、掌にのせ再び扱って蓋を二びき、扱って左手を半月)、元の場所に置く。

再び、捌き直して茶杓をふき、元の位置におく。

帛紗を右手に持ち替えて、帛紗で鉄瓶の蓋をし、器据の元の位置に置く


右手で茶筅筒を取り、茶筅を出し、茶碗に預け、茶筅筒を元の位置に戻す。

左手で茶巾筒を取り、ウグイスを出し、器据③の向こう寄りに置く

茶巾を取り、そのまま横にしてウグイスの前に置き、左手で茶巾筒を元に戻す。


右手で帛紗を取り、左手で鉄瓶をとり、右手の帛紗で蓋をおさえて、湯を茶碗に入れる。

帛紗は元の位置におく。


茶巾をたたみ直して元の所へ置き、次にウグイスを差し立てる。


茶筅通しをし、(2回打つ)茶筅はウグイスに差して、湯を建水に捨てる。

茶碗をふき、茶巾を入れたまま右手で茶碗を置き、その手で茶巾をとり、元の位置におく。

右手で茶杓をとり、左手で棗をとって、茶杓を握りこんだまま、(平棗の場合、手のひらに置く)蓋をとり、棗の後に置く。

二杓、茶を入れ、棗、茶杓を元に戻し、帛紗を取り、左手で鉄瓶を持ち、帛紗で蓋をおさえながら湯を入れ、帛紗を元に戻す。

茶筅を右手でとり、茶を点てる。

右手で掛合の古帛紗をとり、左のひらにのせ、右手を逆手にして、客付きへ右手の親指を下にしておき、ひろげる。


右手で茶碗をとり、左のひらにのせて、正面を正し、右手で古帛紗の上にのせて、客に出す。
 




茶碗が戻ると

右手で取り、左手で扱いながら、器据②にとり込み、右手で古帛紗を二つ折りにして膝の右横に仮置きする。

帛紗をとり、鉄瓶の蓋をおさえて茶碗に湯を入れ、湯を建水に捨てる。 

客よりおしまいの挨拶があれば、受け、茶碗を器据②におき(正客は振出しを出された位置に戻す)「おしまいにいたします」の挨拶をする。
                           
右手で膝横の古帛紗をとって、右手で掛合に置く。
 

右手で振出しをとり、右膝横、古帛紗の後に仮置きする。 

帛紗をとって湯を入れ、茶筅通しをする。
 

茶筅を引き上げ右手にもったまま左手で筒をとり、茶筅を入れ右手で器据①へ戻す。
 

ウグイスを抜いて縦にして置く。

右手で茶碗をとり、左手で湯を捨て、右手で取った茶巾でふき、茶碗を器据に置く。
 

右手で茶巾をとって(右膝の上)左手で取った茶巾筒に入れ、ウグイスを差し、
左手で元の器据①に置く。
 

右手で帛紗をとり、さばき直して茶杓をふき、元の場所に置く。
 

帛紗を建水の上で払う。帛紗を元に戻し、左手で建水を引き、両手で箱をひく。 


古帛紗を置いたままの掛合を箱と建水の間に下ろす。

箱中の茶杓の袋を取り出し、茶杓を入れて右手で掛合の古帛紗の上に置く。

箱中の棗の仕覆を出し、左掌の上で口を拡げて棗を入れ、茶碗の中に入れて緒を結ぶ。

箱中の茶碗の袋を出し、茶碗を入れて長緒扱いで結び、元の器据②に置く。

右手で茶筅筒を取り、左手で箱に入れる。

左手で茶巾筒を取り、一手で箱に入れる。

両手で茶碗を取り、左手を添えて箱にしまう

右手で振出しをとり、左で扱い、右手で箱の中に入れる(左手は添えない)。

右手で蓋の上の香合を取り、左掌で扱い、右手で掛合に置き、両手で掛合を箱にかける。


右手で帛紗を取り、左手に握りこみ、右手で蓋の上の小羽根を取り、器据を4度拭き、小羽根を右手で掛合に入れる。

帛紗を右手に持ち替えて、そのまま鉄瓶の蓋を切り、捌き直して、掛合に入れる。

両手で蓋を取って、箱に蓋をする。

器据の両端を持ち、元のようにたたみ、瓶掛正面に置き、その上に箱をのせる。



建水を持ち、水屋に下がり、次に箱と器据を持って下がり、総礼。ふすま閉める。


2013年8月22日木曜日

風炉 茶箱(卯花点)

2013年8月6日(火)

軸:蝉時雨
花:矢筈ススキ・下野草(しもつけそう)・金水引
茶杓:玄々斎
茶入:
建水:

茶箱:利休型
盆:山道盆



卯の花点前は、雪月花点前を簡略化し、11代玄々斎の考案されたものです。
茶箱の平点前とも称されています。

【準備】
  • 箱は利休型
  • 小ぶりの茶碗に古帛紗、棗を入れる
  • 向こうに茶筅筒、茶巾筒、振り出しを入れる
  • 茶杓を茶碗の上に斜めに伏せて置き、その上に帛紗を捌いて置く 
  • 山道盆に箱をのせ、建水を用意する









【点前】
茶道口建付けに箱を乗せた盆を置き、総礼。
盆を両手で持ち、瓶かけ正面に進んで置く。
建水を持ち出し、瓶かけ正面に座り、建水を置く。

盆を両手で持ち、客付のふちより畳の目3つほどに置く。
箱を両手で勝手付きに置く。
箱の蓋を両手で取り、膝前に置く。
右手で帛紗を取り、捌き直す。
盆の左方を少し持ち上げ、盆の上を三の字に拭く。
帛紗を盆の左縁にかけて置く。

右手で茶杓を取り、左手で扱い、盆の前縁にまっすぐにかけて置く。
右手で振出しを取り、左掌で扱い、回して客付に出し、総礼
両手で茶碗を取り出し、蓋の上にのせ、右手で棗を取り、盆の向こう中央に置く。
右手で古帛紗を取り出して、箱と蓋の間に置き、箱を両手で少し向こうにすすめる。(写真)

右手で帛紗を取り、捌き直して棗を拭き、盆の向こう少し左よりに置く。
捌き直して、茶杓を拭き、元の所へかけて置く。
帛紗を右手に持ち替え、鉄瓶の蓋を閉め、帛紗を元に置く。

左手で茶筅筒を取り、右手で扱って茶筅を出し、茶碗にあずけ、筒を左手で箱に戻す。
右手で帛紗を取り、左手で鉄瓶を持ち、湯を茶碗に入れ、鉄瓶・帛紗を元に戻す。
左手で茶巾筒を取り、右手で茶巾を取り出し、左手で筒を元に戻す。
茶巾をたたみ直し、盆の右の方へ置く。

茶筅通し。茶筅は盆の向こう右寄り。

右手で茶碗を取り、左手に持ち替えて、建水に湯を捨て、茶巾で茶碗を拭く。
茶巾を入れたまま右手で茶碗を元の所に置き、その手で茶巾を出し、元の所へ置く。
右手で茶杓を取り、お菓子を勧める。
左手で棗を取り、茶杓を握りこんで棗の蓋を取り、茶杓のあった所へ置く。
茶を入れ、棗の蓋を閉め、左手で元の所へ戻し、右手で茶杓も元に戻す。

右手で帛紗を取り、湯を入れて鉄瓶・帛紗を元に戻す。
右手で茶筅を取り、茶を点て、茶筅を戻す。

右手で古帛紗を取り、左掌にのせ、右手を逆手にして客付へ右手の親指を下にして置く。
そのまま拡げ、右手で茶碗を取り、左掌で扱い、右手で古帛紗にのせて出す。

茶碗が戻れば、右手で蓋の上に取り込み、右手で古帛紗を右膝横に仮置き。
茶碗に湯を入れ、湯を建水に捨てる。

お仕舞いの挨拶があれば、これを受けて茶碗を蓋の上に置き、お仕舞いの挨拶。
(正客は振り出しを出された所に返す)

右手で古帛紗を取り、箱と蓋の間に置き、
右手で客付の振り出しを取り、右膝横の古帛紗のあとに仮置きします。

茶碗に湯を入れ、茶筅通しをし、茶筅を右手に持ったまま、左手で筒を取り、茶筅を入れる。
茶筅筒を箱中に戻し、右手で茶碗を取り、左手で湯を捨て、茶巾を取り、茶碗を拭く。

右手で茶巾を取り、持ったまま左手で筒を取り、茶巾をその胴にあてて巻くようにして入れる。
左手で茶巾筒を箱中に。


右手で帛紗を取り、捌き直して茶杓を拭き、盆上の元の場所に置く。
帛紗を建水の上で払い、帛紗を元の場所に置き、建水を引き、両手で箱を引く。
右手で古帛紗を取り、茶碗の中に入れ、その上に右手で棗を入れる。

茶碗を箱にしまい、右手で振り出しを取り、左掌で扱い、右手で箱中に入れる。
茶杓を取り、茶碗の上に斜めに伏せて置く。

右手で帛紗を取り、鉄瓶の蓋を切り、捌き直して箱中に入れる。
両手で箱のふたを閉め、両手で箱を盆にのせ、盆を瓶かけ正面に置き直す。
一膝勝手付きに向き、建水を持って下がる。
盆を持ち下がり、茶道口に座り、盆を建付けに置き、総礼。終わり。