2017年10月25日水曜日

風炉 包帛紗

 
2017年10月24日 中置

お菓子:幸楽屋 乱菊
軸:日々是好日
花:ススキ・フジバカマ・クマコギク
棚:五行棚
薄器:河太郎棗
水指:細水指

【水屋で準備】

濃茶器として、棗を、仕覆の代わりに帛紗を使用
  (棗は黒の真塗り、帛紗も無地)

1. 中棗に濃茶を入れる。
2. 棗を帛紗の中央に乗せ(わさが左下、帛紗の折る順番は下、上、右、左の順番にかぶせ   て、左上、次右上で結ぶ。 
3. 水指正面に飾っておく。(今回は中置なので、いつもの位置に水指があると思って)



【お点前】
 

 ・ぬがす時、膝前で棗の帛紗を一つ結び目をといて、少しゆるめ、左掌にのせ、右手で端を引き出すようにといて、次左も。
向こう、手前とはね、棗を持つと同時に四角に帛紗を折る。
  (左人差し指を、帛紗の裏の線にあわせ、手前に摘み折りながら、手首を下に向け、帛紗を四つ折りにする。その時、親指は、帛紗の上)
 
・右手の人差し指を入れて帛紗の一番上を取り、帛紗を広げて四方捌き。

・五行棚を使用、薄器は河太郎棗
   (棗を濃茶器としてすでにしようしているので、薄器は、棗以外がいい)

・茶は三杓 あとは掻き出し。(指先で、かきだしたところを、つ の字でふく)

・中置の時、水指が左側にあるので、茶を入れた後に水指の蓋を開けるのを忘れやすい。

・拝見は、棗でも濃茶扱いなので、帛紗を下に置いてから、棗の蓋をとる。
   (帛紗をにぎりこんで、蓋を開けない)

・拝見ものを取りに出て、まず茶杓をとり、左手に渡し、それから棗を持つ。
   (濃茶なので、今はないけれど、仕覆の上に茶杓を乗せるつもりで)

2017年7月11日火曜日

名水点(めいすいだて)

2017年7月11日 名水点は、濃茶のみ

特殊点前…名水点
先の「葉蓋」「洗い茶巾」なども特殊点前ですが、この名水点もその一つです。
名水を茶の湯に使用することは、昔から盛んに行われていました。

【京の名水1】染井(そめい)の井戸/梨木神社(なしのきじんじゃ)
【京の名水2】醒ヶ井(さめがい)  かの千利休も用いていた水。
【京の名水3】県井(あがたのい)
長く枯れたままでしたが、京都御苑管理事務所(環境庁)によって、1997年に復活しました。

名水点は、神社などの御神水や、各地にある名水を朝に汲んできて茶の湯に用います。御客様に名水であることを示すために、水指にシメ飾りをしておきます。

水指は、以前は様々なつるべが使用されていましたが、最近は木地の釣瓶を使用します。事前に水で十分に湿しておき、シメを張ります。
(数日前から水に浸すと木目に沿って現れる和釘の錆に風情がある、と言われましたが、近日の釣瓶は錆が出ないものが多いです)

シメの張り方
シメ縄には、神事用の左綯(な)いの縄を使用します。緑色の縄が理想。
縄は雲、紙垂(しだ)は雷を意味し、古来豊作を祈って飾られてきました。

シメの張り方は、前後二つ、両横一つずつの紙垂(御幣ごへい)を付けて、勝手付き向こうの角で結びます(男結び)。

なお、名水点は、濃茶でするのがふさわしいです。

茶事など、薄茶になる時はシメを外して部屋に入りますが、
名水点は夏が多く、夏はほぼ朝茶事。
朝茶事は「続き薄※」が殆どなので、シメを張ったままでも構いません。


事前の点前座の準備
客が席入りする前の事前の荘りつけは、風炉の横に水指の釣瓶(つるべ)を据え、その前に通常の濃茶点前同様に茶入を荘り、迎付けをします。

建水に竹の蓋置と柄杓を用意します。




名水の所望
点前が始まり、茶碗、建水を運び出し、柄杓を蓋置の上に引いて総礼

正客:「名水点とお見受けしますが、お水を頂きたく存じます」と所望。

これを受けて茶入、茶杓等を清め、茶筅を出す。
茶巾を水指の左側(釜側)の蓋に乗せ、両手でその蓋を引き、右側の蓋に重ね、
柄杓で水を汲んで茶碗に入れ、客に水をすすめます。
 

正客は、茶通箱の二椀目に準じて次客に次礼をして名水を頂きます。
連客が順次水を飲み回している間に、正客は頃合を見計らって名水の由来などを聞きます。
「梨の木神社の名水でございます」
末客が茶碗を返します。

茶碗、茶入の置き合せ
水の飲み回しが終わると、茶碗に湯を入れて流し、もう一度湯を入れて茶筅通しをし、以下は普通の濃茶点前と変わりはありません。
置き合わせは、中仕舞いです。

 ※ 続き薄の最後 柄杓蓋置を飾って帰るけれど「湯返し」は無し
  湯返しは、柄杓を飾るからではなく、水指を運ぶかどうか。
  竹の蓋置も同様。棚の時は竹以外と言うが、棚の有無ではなく、水指が畳に直置きしてあるかどうか。但し例外はあり、長板の二つ置き(風炉と水指)は竹。

 

2017年3月21日火曜日

点茶盤

点茶盤(てんちゃばん)は、玄々斎が明治5年に京都博覧会が催されるに際して創案した、立礼式茶道のための棚である。


写真は『裏千家 立礼の点前と茶事』千宗室著 淡交社刊より複写。
点茶盤は組み立て式の竹の4本柱で、下部に杉木地の腰板がめぐり、中棚に杉木地の板がはめ込んである。この中棚に炭斗が荘る(左上の小さな写真。下に炭斗があるのかわかるだろうか)ことができるから、炭手前ができるし茶事もおこなえる。
茶の湯は「茶事にはじまり、茶事に終わる」ことを大切に思っている。これはその教えをきちんと実現できる棚なのだ。

2017年1月31日火曜日