2020年5月16日土曜日

風炉 貴人点 濃茶


◆風炉・貴人点・濃茶◆
■貴人点について■
 「貴人点」は、高貴の方に対しての作法で、往昔は最も多く行われた点前。
  古い美術的に価値の高いものより、清浄なものをよいとする。
 菓子器はすべて、足の高い高杯が約束で、白紙を折ってのせその上に菓子を盛る。
  貴人に対して一人一碗が約束で、菓子器の高杯も一人づつ。
 小習い十六ヶ条第一ヶ条。

■貴人とは■
 貴人とは、官位の高い人のこと。
 現在、茶の湯では貴人と尊称するお方は皇族の方々の他には、世の中のために功績があって勲位を授与された方達のことをいう。そうした身分の高い方にお茶を差し上げる時の点前を【貴人点】という。

■貴人畳■
 貴人がお座り頂く畳を呼び、神聖な場と認識する。

点前にかかる前の準備

・ 薄茶器に中高になるようにお茶を入れる。
・ 濃茶の茶入にお茶を入れ、水指前にかざる。
・ 茶筅は、水で清める。
・ 天目茶碗を貴人台に載せ、茶巾、茶筅、茶杓を仕組む。
・ 水指に八分目の水を入れる。
・ 柄杓を準備。(柄のつき方は月形。合が大ぶりで身の方を斜めに切ってある)
・ 棚を貴人畳のへりから畳の目数十六目向こうに揃える。
・ 地板に水指、天板に棗を飾る。
・ 水次を用意し、茶巾を蓋上にのせておく。
・ 釜の蓋をきっておく。
・ 帛紗を腰につける。

● 菓子は高杯に干菓子を盛り、前席で出す。
点前

■茶碗を運び出す■

1、茶碗を載せた貴人台を建付けに置き、襖を開け、両手を揃えて一礼する。(真)

2、右手左手と貴人台をの縁(絵矢印部分)に手をかけて取り上げてから、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って運び出す。右膝から立ち上がり、畳の中央を進み、正面に坐る。

3、右手を台縁右方に持ち替えて、左手を少し手前にひかえて、勝手付左方に両手で仮置きする。

4、次に茶入を棚正面、右寄りに置く。

5、仮置きの貴人台を右手横、左手前と取り上げ、左手横、右手前と持ち替えて、茶入と置き合わせる。

6、左膝から立ち上がり、水屋にさがる。

7、建水を左手に席入りし、襖を閉め、居前(正面)に坐り、手なりに建水を置く。

8、左手で柄杓をとり、切り止めに右手を添え、構え(鏡柄杓)右手で建水の中の蓋置を取り、柄杓の内側を通り、敷板の角「出ず入らず」のところに置く。

9、柄杓を蓋置きに斜めに引く。カツン、ポトン。総礼。

○ 半東は、このあたりで茶道口を開け、一礼してにじり入って、踏込畳に斜めに座って両手をついて控える。

10、左手で建水を膝前の線まであげて、居ずまいを正し、

11、貴人台を右手前、左手横と持って取り上げ、右手を横にして膝前少し向こうに移動させる。

12、茶入を取り、茶碗と膝の間に置く。
  仕服を脱がし、釜の方へ(左)打ち返し、右手で棚上に置く。

13、左手で腰の帛紗を取り、四方捌き、畳む。左手で茶入を取り、清める。

15、帛紗を捌き直して左手に持ち、右手で茶杓を取り、清め、茶入の上に置く。

16、右手で茶筅を取り、茶入の右側に置き合わせる。
  水指が塗り蓋の場合は、帛紗を二つに折り、蓋を二の字に清め、左手に持たせる。
  茶巾を蓋の上に置く。

17、帛紗を左手の人差し指と中指の間にはさんだまま、柄杓を右手で取りかまえ、右手で帛紗を取り、釜の蓋にのせ、開け、露をきる。

18、蓋を蓋置に置き、帛紗を建水の方に置く。

19、柄杓を持ち直し、湯を汲み、茶碗より合一つ分上に持ってきて、湯を茶碗に入れる。柄杓を釜にあずけ、

20、右手で茶筅を取り、左手を軽く茶碗に添えて茶碗を右手で一度打つ。

21、右手左手と両手で台縁を持って手前に寄せ、

22、左手を茶碗に添え、茶筅通しを二度上げ三度打ちして、穂先を清める。茶筅を元の位置に戻す。

23、茶碗を右手で取り、左手も添えて取り上げ、左手片手で建水に湯を捨てる。

24、茶巾を右手で取り、茶碗を大きく三回半拭き清める。

25、茶碗に茶巾を入れ、左手を添えて茶碗を台にのせ、茶巾を釜の蓋の上に置く。

■茶を点てる■
26、右手で茶杓を取り、左手を畳に軽くおき、頭を下げ「お菓子をどうぞ」とすすめる。

27、茶入を左手で取って、茶碗の左上で蓋を取り、茶碗の右側に置く。

28、茶を三杓すくい茶碗に入れ、茶杓を茶碗の縁にかけておき、回し出す。
  口を指で清めて蓋をして水指前左側に戻す。
  茶杓を持ち替えて茶をならし、茶碗の縁で静かに打って茶を払う。

29、茶杓を茶入の上に戻す。

30、右手で水指の蓋、左手で横、右手で10時を持ち(三手)、水指の左側に置く。

31、柄杓を上から取り水を一杓釜に差し、湯を汲み、茶碗に入れる。
  残りを釜に返し、切り柄杓で釜にあずける。

32、その手で茶筅を取り、茶を練る。
  途中茶筅を左側に預けて湯を足して練り、茶筅を元の位置に戻す。
 
33、貴人台を右手左手と持ち、取り上げて客付に回り、台縁を右向こう左手前と上で回して定座に出す。左膝右膝と一膝退いて両手を畳につけ控える。

○ 半東は、このお茶を取りに出て、貴人にさしあげる。
(右向こう左手前と台を下で回して一膝退き一礼し、元の座に戻って控える)

●貴人の喫み方は法なしといいますが、お稽古の場合は、お茶が出されると、まず取り次がれた貴人台を両手に取り上げ、縁内次客の間に取り込み、、次客に「お先に」と次礼し、正面に置き、「お点前ちょうだいします」(真)と挨拶し、貴人台を右膝頭に置いて茶碗を取り上げ、左手にのせ感謝の気持ちでおしいただき、正面をさけ時計回りに回しいただく。

34、亭主はこれを受ける。(行のおじぎ)

35、客の一口で亭主は服加減を尋ね、控える。
  喫み切りを聞いて居前に戻り、水を一杓釜に差し引き柄杓、帛紗を腰につける。

● 客は茶を喫み、最後に吸い切りをして、喫み口を指先で清め、その指先を懐紙で清める。茶碗の正面をただし、縁外に置き、拝見をする。茶碗を左掌にのせ、正面を正し(反対に回す)、出された位置に返す。

○ 半東は、茶碗拝見が終わるとこれを亭主に戻す。

36、貴人台が返ると、客付に回り貴人台を右左と取り、両手で持ち、居前に回り下に置く。総礼。

37、湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓。

38、左手を添えて右手で茶碗を取り、左一手で湯を建水にあける。

39、茶碗を左手を添えて右手で下に置き、「おしまいさせていただきます」と、しまいの挨拶をする。

■しまいつけをする■

40、右手で柄杓を取り、水指から水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓で釜に預け、しまいの茶筅通しをする。

41、茶筅を茶入の横に置き、

42、建水に水を捨て、右手で茶巾を取って、茶碗に入れる。

43、茶筅をとじ目を上にして茶碗に入れ、

44、右手で茶杓を取り、持ったまま左手で建水を下げる。

45、帛紗を捌き、 茶杓を清め、茶碗にふせて置く。

46、帛紗の茶粉を建水の上で払い、腰につける。

47、茶入を右手で、棚の前右寄りに置く。

48、貴人台を右左と両手で取り上げ、右手を控え、茶入の左側に置き合わす。(本仕舞)

49、釜から取り柄杓、水指から水を汲み、釜に水を一杓さす。

50、そのまま湯返し。

51、柄杓を構え、釜の蓋を閉め、柄杓を蓋置に引く。

52、水指の蓋を右手で取り、左手に持ち替え三手で閉め、正客から「お棗、お茶杓拝見を」の拝見の挨拶があれば、受ける。

53、柄杓を右手で取り、左手に持ち替えて建水の上にたたみ、

54、蓋置きを右手で取り、左手横を持ち、建水の後ろへ置く。


56、貴人台を右手前、左手横と餅、右手横、左手前と持ち替えて、勝手付に割りつける。

57、右手で茶入を取り、左手にのせ、客付きに回る。

58、茶入を膝前に置き、帛紗を捌いて清める。

59、帛紗を膝前に置き、蓋を取り蓋裏をしらべ、蓋を帛紗の向こうに置き、茶入の口を向こう、手前と帛紗で清める。

60、帛紗を膝前に置き、蓋を閉め、茶入の正面を正し右手で出す。

61、帛紗は腰につける。

62、居前(正面)に回り、右手で天板の仕服を取り左手にのせ、右手で茶杓を仕服の上に手なりに置き、左手の親指で軽く押さえて客付に回り、右手で茶杓と仕服を一緒に持って茶入の右に出す。


  左手で柄杓を取り、右手に持ち替えて棚に荘る。
  左手で蓋置を取り、右手で棚の上左手前に荘る。

■水指に水をつぐ■

63、一膝勝手付に向き、建水を持ち、左足を立てて立ち、襖を開け、敷合わせで左足でこえてさがる。

○ 半東は建水を持って立った時、茶入、茶杓、仕服を自分の前に出された順序に取り込み、貴人に拝見に取り次ぎ、控えている。

64、右手左手と貴人台の縁に手をかけて取り上げて、右手の手をホウズキと茶碗に添えて持って、さがる。

65、水次を持って入り、棚前左に手なりに置く。

66、水指の蓋を右手で取り、左手で扱って、水指の左横に立てかける。

67、茶巾を水次の口にあて持ち上げ水指に水をつぐ。

68、茶巾を水次の蓋上に戻し、水指の蓋を扱って閉める。

69、水次を持って下がり、襖を閉め、拝見の返るのを水屋で待つ。

● 貴人は縁内に取り込むと、仕服の上の茶杓は外して、茶入れと仕服の間に置く。亭主が水屋に入ってから次礼して、茶入、茶杓、仕服の順に縁内で拝見する。

○ 半東は、拝見が終わると、これを亭主に戻す。茶杓と仕服は外して返す。 


■あいさつに答える■

70、亭主は拝見物を取りに定座に座り、貴人からの拝見物の問いに答える。
 「茶入のお形は?」「お窯元は?」「茶杓のお作は?」「ご名は?」

71、右手で仕服を取り、左手にのせ、右手で茶杓を乗せ、左手の親指で押さえる。
  右手で茶入を取る。

72、立ち上がり、拝見物を持ってさがり、茶道口に坐り、建付に拝見物を置き、主客総礼して襖を閉める。

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