2020年4月29日水曜日

炉 茶筅荘

炉 濃茶 茶筅荘

小習い十六ヶ条の一つである「茶筅荘」は、荘りものの一つ。
通常荘りものは濃茶だが、茶筅荘のみ薄茶でも出来るという。

水指や釜、風炉先に由緒がある場合の点前。お稽古だと水指が一般的。
荘り点前の場合、水指の蓋は塗蓋が好ましいとされているが、茶筅荘りにおいては、亭主の思い深い水指が塗蓋でない場合もあるため、必ずしも塗蓋を使用するとは限らない。

荘りものの場合、待合の床に茶杓の筒や箱などが、紫の帛紗にのせて荘ってあるので分かるが、茶筅荘の場合はないので客は「水指に由緒がある」と解釈する。
なので、亭主が点前座に座り杓をひいたら(濃茶の場合は総礼後)、正客から「茶筅荘とお見受けしますが…」と尋ねる。
そして、点前が終わって水指を水屋にひいたら、中をあらため空の水指をさらしにのせて、正客のところへ持ち出す。
お客さんは順番に拝見して、詰が茶道口へ返しておく。

茶筅・茶碗・茶杓・茶入荘は全て、最初の飾り付けが同じ。
【準備】

炉に釜をかけ、釜の向こう側を手なりに少し切っておく。

仕込み用の茶碗に茶碗に茶巾、茶杓、茶筅を仕込み、飾る茶碗に仕覆を着せた茶入を仕込む。茶入には人数分の茶を入れておく。

建水に蓋置と柄杓を仕込む。柄杓は節が中程ある炉用のもの。

菓子器に主菓子を盛りつける。

【飾りつけ】

水指に八分目程の水を入れ、定座に飾る。

茶巾、茶杓、茶筅を仕込んだ茶碗を持って水指の前に座る。
茶碗を正面に置き、茶杓を水指の蓋上の右側に置き、茶筅を出して茶碗の右に仮置きをする。
茶巾を水指の蓋のつまみの前に立てかけ、茶巾の上に茶筅を飾る。

茶入を仕込んだ茶碗を水指の前に飾る。


   

 【手順】

客の席入りが終わると、主菓子を客に運び、茶道口の襖を締める。

茶道口の前に、柄杓と蓋置仕込んだ建水を横一文字に置き、襖を開ける。

席に入るとすぐに茶道口に座り、膝前に建水を置き、襖を閉める。

建水を持ち点前座に進み、炉縁の左内隅狙って客付斜めに座り、建水を左膝横に置く。

柄杓を柄杓の柄の縁を左手でとり、体正面で右手を添え構える。

右手を柄杓の内側を通し、建水の中の蓋置を取り、炉縁の右横点前、畳のヘリより三目ずつのところに置く。

柄杓を右手で持ち直し、柄杓の合を蓋置にのせ、柄と体と平行になるように引き、主客総礼をする。


建水を左手で炉縁の外側の線の延長上に建水の中心がかかり、勝手付の畳のヘリから五から七開けた位置進め、居前を正す。

茶碗を両手でとり、膝前少し向こう寄りに置く。

茶碗の中の茶入を右手で取り、茶碗と膝の間におき、仕覆の緒を解き、茶入を左手に乗せ、右、左と仕覆を開いて脱がせ、茶入を茶碗と膝の間におく。

両手で仕覆を整え、打留が釜のほうに向くように左手で打ち返し、左手で仕覆の底を持って水指の左横、水指と畳のヘリの中間に置く。

袱紗を取り四方さばきをし、茶入を左手で取り、蓋のつまみの向こう、手前と清め、胴を清める。

茶入を水指と炉縁の結んだ線の中央から少し左側に置く。

袱紗をさばき直し左手のひらにのせ、水指の上の茶杓を取り、茶杓を清め、茶入の蓋つまみの右側、火に近いほうに置く。


左手に袱紗を持たせたまま、右手で水指の上の茶筅を取り、茶入の右側に置き合わせする。(茶入と茶筅の間は、畳四目程と言われている)

左手の袱紗を、人差し指と中指の間に挟み込み、右手で柄杓を取り構える。(袱紗で扱うのは、女性または、釜の蓋が共蓋か蓋のつまみが南りょうの場合)

袱紗を左手で持ったまま、袱紗を右手に持ちかえ釜の蓋を取り、蓋置の上にのせる。

袱紗を右膝頭に仮置きをし、柄杓を右手に持ち替え湯を組み、茶碗に入れ、すぐに柄杓を構え、袱紗を取り釜の蓋を閉める。(これを中蓋と言う)

袱紗を右膝頭に仮置きし、柄杓を体と平行に蓋置に置き、右手で茶筅を取り、茶碗に茶筅を音を立てずに打ち入れて、両手で茶碗を手前にさげ、茶筅通しをする。

茶筅を元の位置に置き、茶碗を右手で取り、左手に持ち替え湯を建水にあけ、右手で茶巾を取り、茶碗を清め、茶碗を膝前に置き、茶巾を水指の蓋の上に戻す。

右手で茶杓を取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで茶入の蓋を取り、茶碗の右横に置く。(この時、茶杓の先は茶碗の向こうに向くようにする)

茶を三杯茶碗に入れ、茶杓を茶碗の縁にあずけ、茶入を手前に回して、茶をあけ切る。

茶入の口を右手の親指と人差し指で向こう手前と清め、指先を懐中の懐紙で拭い、茶入の蓋を閉め、左手で元の位置に戻す。

茶杓で茶碗の中の茶をさばき、茶杓の先を茶碗の縁で軽く打って茶を払い、茶杓を茶入の蓋上に戻す。

右手で柄杓を取り左手に持たせてかまえ、右手袱紗で釜のふたを取り、蓋置の上に置く。

袱紗を左膝横に置き、右手で柄杓をとり湯をくみ、茶碗に入れ、残った湯を釜に戻し、柄杓を釜の口に伏せておく。

茶筅を茶をよく練り、茶筅の茶碗の左縁にあずけ、もう一度湯をくみ、茶筅を少し持ち上げ湯を穂先にかけながらすすぐ。

茶筅を茶碗に預けて残りの湯を釜に戻し、柄杓を釜の口にあずけ、茶筅をとり、しっかりと茶を練り上げる。

茶碗を右手で左手のひらに乗せ、向こうから手前へ二度ほど回し、正面を客に向け、定座に出す。


正客が茶を一口飲んだところで、亭主「お服加減はいかがでございますか」

正客がこれを受け答えると、亭主は柄杓をとってかまえ、袱紗を使わずに釜のふたを閉める。

柄杓を建水に合を落とし、手なりに乗せ、蓋置を右手で取り、左手で建水の下座に置き、客付に周り控える。(中じまい)


次客が茶を一口飲んだところで、正客から茶銘、詰め、菓子、菓子の銘などが問われるので、これに答える。
この時、茶筅荘りの場合は水指についても正客から問われるので、これに答える。

亭主は末客が飲みきるのを待って居前に戻る。

蓋置を左手で取り、右手で元の位置に置き、柄杓で左手でとって構え、右手で左膝横の袱紗で釜の蓋を取って蓋置の上に乗せる。

袱紗を左膝横に戻し、柄杓を持ち直して釜の口に預ける。

水指の蓋の上の茶巾を取り、釜の蓋に乗せ、水指の蓋を右、左を二手で取り、左に立てかける。

柄杓を取り、水をくみ釜に差し、柄杓を釜に預け、袱紗を腰につけ、茶碗が戻るのを待つ。(中じまいを解く)

茶碗が戻ると右で手取り、左手に扱って膝前に置き、主客総礼をする。


右手で柄杓をとり、湯を茶碗にくみ、柄杓を釜にあずけ、右手で茶碗を取り、左手に持ち替えて、建水に湯をあけ、右手で茶碗を膝前に置き、「おしまい致します」と挨拶をする。

右手で柄杓を上から取り、左手に扱って持ち直し、水をくみ茶碗に入れ、柄杓を釜二預ける。

しまいの茶筅通し(一度上げ二度打ち)をし、茶筅を戻す。

茶碗を右手でとって左手にわたし、水を建水にあけ、茶巾を入れ、茶碗を右手で膝前におき茶筅を入れる。

右手で茶杓を取り、左手で建水を引き、茶杓を握り込んで袱紗さばきをし、茶杓を清め、茶碗に伏せてのせ、袱紗を建水の上でを払い腰につける。

右手で茶入を取り、水指の前少し右寄りに置き、右手で茶碗を取り、左手で茶入の左に置き合わせる。

右手で柄杓上から取り、左手で扱って持ち直し、水を一杓くみ釜にさし、柄杓を構えて、釜の蓋閉める。

柄杓を蓋置に置き、水指の蓋を左横を左手でとり、右手でつまみを持ち二手で閉める。


正客から「茶入、茶杓、仕覆の拝見を」と挨拶があると、これを受けて一例をする。

柄杓を右手でとり左手にわたし、合を落として建水の上にふせ、蓋置を右手で取り左手のひらにのせ、水指の正面に回る。

蓋置を右手でとり左手横に持ち直し、建水の下座に置き、茶碗を右一手で勝手付に置く。

茶入を取り、左手のひらにのせ、客付正面に回り、膝前に置く。

袱紗を草にさばき、茶入の蓋と胴を清め、袱紗を膝前に置き、茶入の蓋をとり、蓋裏は袱紗の向こう側に置き、その手で袱紗を取り、茶入の胴に当てて折り返し、茶入の口を向こう手前と清める。

袱紗を膝前に置き、茶入の蓋を閉め、左手のひらにのせて、向こうから手前に二回し正面が客のほうに向け、客付に出す。

居前のまま仕覆を左にとり、右手で扱って左手にのせ、客付に回り、仕覆を茶杓の下座に置く。

再び水指正面に回り、左手で柄杓を上から取り、右手で柄杓の節の上を横一文字に持ち、左手で蓋置を取り、柄杓の柄を握り込んで、右手の親指、人差し指、中指で蓋置を持つ。

左手に建水を持ち、左膝から立ち茶道口に下がって座り、建水を膝前に置き、蓋置を左手で建水の右側に置く。柄杓を左手で扱って右手で建水の上に号を落として横一文字に伏せ、襖を開けて水屋に下がる。


正客は亭主が建水を持って水屋に下がると、拝見物を取りに出る。

亭主は再び水指正面に座り、右手で茶碗を持ち、左手のひらに乗せ、右手を添えて、左膝から立ち水屋に下がる。

続いて水指を両手でもって下がり、茶道口に座り、水指を膝前に置き、襖を閉める。

茶道口が閉まると、正客から順に茶入、茶杓、仕覆の拝見をし、拝見が終わると、正客と末客は出会いで返す。

拝見物が戻ると、亭主は襖を開けて入り、道具正面に座り一礼をし、正客からの問いに答える。

仕覆を右手でとり左手のひらに乗せ、茶杓を右手で取り仕覆の上に斜めに乗せ左親指で押さえ、右手で茶入を横から持ち立ち上がり、茶道口に下がって客の方を向き座る。

茶入を右膝横に置き、その横に茶杓、仕覆を置き、正客総礼をし、襖を閉める。

2020年4月23日木曜日

炉 茶碗荘

炉 茶碗荘
 ■茶事、茶会を催す場合に、茶椀が由緒ある品である場合などに行なう点前。
 ■初入りの迎付けをする前に、御物袋(紫または白の縮緬の袋)に入れて、床の上座か下座に帛紗を敷いて荘っておく。
 ■この点前に棚は使わない。

荘物はすべて同じ

点前にかかる前の準備
 ・ 茶入れには客の人数分の茶を入れ、仕覆に入れ緒を結んでおく(一人、三杓、3.75g)
 ・ 水指を正面に置き、その蓋上の右方に茶杓(かい先上)をのせ、蓋の摘みの前には茶巾、茶筅をのせる。
 ・ 水指の前には、初座で床に荘付けてあった茶入を茶碗に入れ荘っておく



 ◎ 菓子は点前の前に運び、客は先にいただく。


点前

1、茶道口に柄杓、蓋置を建水に仕組んで膝前に置いて坐り、襖を開け、席に入り、茶道口を閉め、定座に坐る。

2、左手で柄杓を取り、右手でかまえ(鏡柄杓)蓋置を右手で取り風炉敷板の左前角に置き、柄杓を扱って蓋置の上に引き、主客総礼をする。

3、建水を縁内に左手で進め、居ずまいを正す。

4、右手で水指前の茶碗を茶入が入ったまま左手を添え、膝前少し向こうに置く。

5、左手を茶碗に添えて、茶入れを右手で取り、茶碗と膝の間に置く。

6、仕覆の緒をとき(といたら横にし、左手で打留をもち、向こう、手前と紐をゆるめ、正面で右、左と手をそわせ、底を持ち)脱がせ、茶入を茶碗と膝前の間に置き、両手で仕覆の形をととのえ、左手で仕覆の左上を持ち、右打ち返して(底は上)、打留を客付きに向けて、左手で水指の左向こう寄りに置く。

7、次に懐中から古帛紗を取り出して、右手で水指と釜の間の左寄りに右手で広げる。(茶入荘)

8、腰の帛紗を取り、草の四方捌きをし、左手で茶入を取り、蓋を向こう手前と二引きに拭き、帛紗を茶入の胴にあて、左手で左回しに回し、拭く。

9、さきに広げてある古帛紗の上に茶入を置く
 
10、帛紗を捌き直し、茶杓を取り、三回拭き、茶入の蓋の摘みの右側(火側)、に置く。

11、続いて水指の上の茶筅を右手で取って、茶入の右に置き合わせる。

12、柄杓を取ってかまえ、右手に帛紗を持ち替えて釜の蓋を取り、蓋置の上に置き、帛紗を右膝斜め上に仮置きし、

13、柄杓を扱って湯を汲み、茶碗に入れ、釜の蓋を閉め帛紗を仮置き、柄杓を蓋置へ。

14、右手で茶筅を取って、茶碗に入れて一度打ち、茶碗を両手で持って、膝前に引き、茶筅通しをする。

15、茶筅を元に戻し、茶碗を左手を添えて両手で取り上げ、左手で湯を建水に捨て、右手で水指上の茶巾を取り、茶碗を拭き、膝前に置き、茶巾を水指の蓋上に置く。

16、茶杓を右手で取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで茶入の蓋を取り、茶碗の右横に置き、茶杓を持ち替えて茶を三杓すくい入れ、茶杓を茶碗の右かたにあずけ、右手を茶入に添え、少し斜めにし時計逆回りに回して、中の茶を全てあけ切る。

17、茶入の口を右手の親指と人差指で向こう手前と拭き、指を懐紙で清め、茶入の蓋をして、左手で茶入を元の位置に戻し、茶杓で椀中の茶をさばき、茶碗の縁で茶杓を軽く打ち、茶を払い、茶入の蓋の上に置く。

18、柄杓を取り、構えて釜の蓋を開け、帛紗は建水の右肩。

19、湯を汲み、茶碗に入れ、残った湯は釜に戻し、柄杓を釜にあずける。

20、茶筅を取り、左手を茶碗に添え、茶と湯をよく練り合わせ、茶筅を茶碗の左縁にあずけ、もう一度柄杓を取り、湯を汲み、

21、左手で茶筅を少し持ち上げ、その穂先から湯を茶碗にそそぎ、残った湯は再び釜に戻す。

22、茶筅を取り、濃茶を練り、茶筅を茶入の横に置き合わせる。

23、茶碗に左手を添えて取り上げ、左掌に乗せ右手を添えて持ち客付に回り、左手を添え右手で膝前に置く。
古帛紗を懐中より取り出し、扱って右手で茶碗を出す位置に広げる。
茶碗を下で右向こう左手前と回して正面を正し、右手で茶碗を持ち左手を添えて古帛紗に乗せ
一膝下がって手をつき控える。


●  正客は茶碗が出されて亭主が控えると取りに出て座に戻り、茶碗を古帛紗ごと左膝横に置き、連客は総礼をする。正客は感謝して、下で回して、一口いただく。

24、正客が一口喫むと、亭主は服加減をたずねる。(「お服加減はいかがですか?」)

25、亭主は、中仕舞。柄杓を取り建水へかけ、釜の蓋閉める。蓋置も柄杓の柄の下に置く。
客付きに回り控える。


●  正客は右手をついてこれを受けその後二口半喫む。
●  その間、次客は「お先に」と挨拶する。
●  正客は喫み切ると、茶碗を下に置き、茶巾を取り出し、喫み口を清める。
●  正面を正し、次客に古帛紗ごと手渡ししておくり、たがいに正面を向いて送り礼、受礼をする。

●  次客以下も正客と同様にしていただく。

● 
正客は次客の一口で、茶銘、詰、菓子などをたずねる。

26、亭主はこれに答える。「きうんでございます」「小山園でございます」など

27、亭主は末客の喫み切りで、居前に戻り、中仕舞を解く。蓋置を戻し、柄杓を取り構えて釜の蓋を開け、柄杓は釜に預ける。茶巾を釜の蓋に移動し、水指の蓋を右左と二手で開け、左側に立てかける。水を釜に一杓、柄杓を預け、帛紗腰。

28、茶碗が客より返るのを待つ。

●  正客は、末客より茶を喫み茶碗を下に置いた時、「お茶碗の拝見を」 と請う。
●  末客はこれを受け、喫口を清めてから正客の前に持って出る。
●  正客は、次礼をして茶碗の拝見をする。
  末客が拝見を終わると、正客との出会いで、正客に返し、正客は正面を正し、出された位置に返す。


29、亭主が客付に回ると、正客は茶碗の由来、窯元などを尋ねる。

亭主は答え、茶碗を左手を添えて右手で膝前に取り込み、古帛紗を懐中する。
茶碗を左手を添えて取り左掌に乗せ居前に戻り、左手を添えて膝前に置き、主客総礼。

 
30、柄杓をとって湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を置く。

31、左手を添えて茶碗を取り、左一手で建水に湯を捨て、茶碗を左手を添えて右手で膝前に置き、お仕舞いの挨拶をする。
「お仕舞いいたします」


32、柄杓で水を汲み茶碗に入れ、釜にあずける。

33、しまいの茶筅通しをし、茶筅を元の位置に戻し、左手を添えて右手で茶碗を取り、左手に持ち替えて水を建水に捨てる。

34、茶巾を右手で取り、茶碗に入れ、左手を添えて右手で膝前に置き、茶筅を入れる。

35、その右手で茶杓を取り、建水を左手で引き、その手で腰の帛紗を取り、茶杓を握り込んで帛紗を捌く。

36、茶杓を拭いて、茶碗にふせて置き、帛紗を建水の上で払い、腰につける。

37、茶入を水指の前右よりに置きかえて、茶碗を左手を添えて茶入と置き合わせる。(本仕舞)

39、柄杓を取り、水を一杓汲み釜へさし、柄杓をかまえ、釜の蓋を右手で閉め、柄杓を蓋置の上に引く。

40、水指の蓋を右左の二手で閉める。
■  正客より「茶入、茶杓、仕覆、拝見」 があればこれを受ける。

41、柄杓を右手で取り、左手に持ち替えて、建水にたたみ、右手で蓋置きを取り、左手に持たせ、建水のうしろに置く。

42、茶碗を右一手で勝手付きに割り付ける。

43、茶入を両手で持って取り、客付きに回り、膝前に置く。

44、帛紗を捌いて、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を茶入の胴で拡げ、胴拭きをし、

45、帛紗を古帛紗の右のほうに置き蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こう畳の上に置き、 帛紗で茶入の口を向こう手前と拭く。

46、帛紗を下に置き、その手で茶入れの蓋を取り閉める。


47、茶入を右手に持ち替えて古帛紗の上に置く。

48、茶入を古帛紗にのせたまま、両手で古帛紗を右向こう左手前と回して正面を正し定座に出す。

49、帛紗を腰につけ、正面に戻り、茶杓を右手で取り、左手に渡し、客付きに回り、茶入れの右に置く。

50、居前に戻り、仕覆を左手で取り、右手で左掌にのせ客付きに回り、茶杓の右に置き合わせる。



51、正面に戻り、柄杓、蓋置を右手に持たせ、左手で建水を持って立ち、茶道口さがって坐り、建水を膝前中央に置き、蓋置を左手で建水の右横に置き、柄杓を左手で扱い、右手で建水の上に置き、襖を開け、水屋にさがる。

●  正客は、亭主が建水を引くと、茶入(古帛紗にのせたまま)茶杓、仕覆の順に引き、まず、茶入を右膝横に置き、茶杓をその右横に置き、仕覆を右手で打ちかえして、茶杓の右横に置いて、茶道口の閉まるのを待つ。

52、亭主はつぎに右手で茶碗を取り左掌にのせ、右手を添えて両手で持ちさがる。

53、つづいて水指を持ちさがり、茶道口に坐り、水指を膝前に置いて襖を閉め、拝見物の返るのを待つ。

●  正客は亭主が水屋にさがると次礼をし、茶入、茶杓、仕覆の順に拝見をする。
   次客は三客に次礼して正客につづき拝見する。
   末客は、茶入、茶杓、仕覆の拝見がすむと、仕覆を右手で打ちかえし(親指を底にあてくるりと回す)、茶杓の左に置き、正客との出会いで返す。(緒の向きは必ず道具側に返す)
● 正客はいったんあらためて、茶入、茶杓、仕覆の順で出された反対に返す。

54、 亭主は茶道口に坐り襖を開け、道具正面に座る。

55、 茶入の形、窯元、茶杓、仕覆の問いに答え、一礼する。

56、 挨拶が終ると、仕覆、茶杓と左手に持たせ、茶入を右手で持って立ち、茶道口に持ち帰る。坐って茶入、茶杓、仕覆の順に建て付けに置き、主客総礼をして襖を閉める。

2020年4月20日月曜日

炉 茶入荘


 ■茶事、茶会を催す場合に、茶入が由緒ある品である場合などに行なう点前。
 ■初入りの迎付けをする前に、仕覆に入れた茶入を床に帛紗を敷いて荘っておく。
 ■この点前に棚は使わない。


点前にかかる前の準備
 ・ 茶入れには客の人数分の茶を入れ、仕覆に入れ緒を結んでおく(一人、三杓、3.75g)
 ・ 水指を正面に置き、その蓋上の右方に茶杓(かい先上)をのせ、蓋の摘みの前には茶巾、茶筅をのせる。
 ・ 水指の前には、初座で床に荘付けてあった茶入を茶碗に入れ荘っておく



 ◎ 菓子は点前の前に運び、客は先にいただく。


点前

1、茶道口に柄杓、蓋置を建水に仕組んで膝前に置いて坐り、襖を開け、席に入り、茶道口を閉め、定座に坐る。

2、左手で柄杓を取り、右手でかまえ(鏡柄杓)蓋置を右手で取り風炉敷板の左前角に置き、柄杓を扱って蓋置の上に引き、主客総礼をする。

3、建水を縁内に左手で進め、居ずまいを正す。

4、右手で水指前の茶碗を茶入が入ったまま左手を添え、膝前少し向こうに置く。

5、左手を茶碗に添えて、茶入れを右手で取り、茶碗と膝の間に置く。

6、仕覆の緒をとき(といたら横にし、左手で打留をもち、向こう、手前と紐をゆるめ、正面で右、左と手をそわせ、底を持ち)脱がせ、茶入を茶碗と膝前の間に置き、両手で仕覆の形をととのえ、左手で仕覆の左上を持ち、右打ち返して(底は上)、打留を客付きに向けて、左手で水指の左向こう寄りに置く。

7、次に懐中から古帛紗を取り出して、右手で水指と釜の間の左寄りに二つ折りのまま置き、右手で広げる。

8、腰の帛紗を取り、草の四方捌きをし、左手で茶入を取り、蓋を向こう手前と二引きに拭き、帛紗を茶入の胴にあて、左手で左回しに回し、拭く。

9、さきに広げてある古帛紗の上に茶入を置く
 
10、帛紗を捌き直し、茶杓を取り、三回拭き、茶入の蓋の摘みの右側(火側)、に置く。

11、続いて水指の上の茶筅を右手で取って、茶入の右に置き合わせる。

12、柄杓を取ってかまえ、右手に帛紗を持ち替えて釜の蓋を取り、蓋置の上に置き、帛紗を右膝斜め上に仮置きし、

13、柄杓を扱って湯を汲み、茶碗に入れ、釜の蓋を閉め帛紗を仮置き柄杓を蓋置へ。

14、右手で茶筅を取って、茶碗に入れて一度打ち、茶碗を両手で持って、膝前に引き、茶筅通しをする。

15、茶筅を元に戻し、茶碗を右左と持ち替え湯を建水に捨て、右手で水指上の茶巾を取り、茶碗を拭き、膝前に置き、茶巾を水指の蓋上に置く。

16、茶杓を右手で取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで茶入の蓋を取り、茶碗の右横に置き、茶杓を持ち替えて茶を三杓すくい入れ、茶杓を茶碗の右かたにあずけ、右手を茶入に添え、少し斜めにし時計逆回りに回して、中の茶を全てあけ切る。

17、茶入の口を右手の親指と人差指で向こう手前と拭き、指を懐紙で清め、茶入の蓋をして、左手で茶入を元の位置に戻し、茶杓で椀中の茶をさばき、茶碗の縁で茶杓を軽く打ち、茶を払い、茶入の蓋の上に置く。

18、柄杓を取り、構えて釜の蓋を開け、帛紗は建水の右肩。

19、湯を汲み、茶碗に入れ、残った湯は釜に戻し、柄杓を釜にあずける。

20、茶筅を取り、左手を茶碗に添え、茶と湯をよく練り合わせ、茶筅を茶碗の左縁にあずけ、もう一度柄杓を取り、湯を汲み、

21、左手で茶筅を少し持ち上げ、その穂先から湯を茶碗にそそぎ、残った湯は再び釜に戻す。

22、茶筅を取り、濃茶を練り、茶筅を茶入の横に置き合わせる。

23、茶碗を右手で取り、左掌にのせ、正面を正し定座に出す。

●  正客は茶碗が出されると取りに出て座に戻り、茶碗を右手で左膝横に置き、連客は総礼をする。正客は感謝して、いつものようにして、一口いただく。

24、正客が一口喫むと、亭主は服加減をたずねる。(「お服加減はいかがですか?」)

25、亭主は、中仕舞。柄杓を取り建水へかけ、釜の蓋閉める。蓋置も柄杓の柄の下に置く。
客付きに回り控える。


●  正客は右手をついてこれを受けその後二口半喫む。
●  その間、次客は「お先に」と挨拶する。
●  正客は喫み切ると、茶碗を下に置き、茶巾を取り出し、喫み口を清める。
●  正面を正し、次客に手渡ししておくり、たがいに正面を向いて送り礼、受礼をする。

●  次客以下も正客と同様にしていただく。

● 
正客は次客の一口で、茶銘、詰、菓子などをたずねる。

26、亭主はこれに答える。「きうんでございます」「小山園でございます」など

27、亭主は末客の喫み切りで、居前に戻り、中仕舞を解く。蓋置を戻し、柄杓を取り構えて釜の蓋を開け、柄杓は釜に預ける。茶巾を釜の蓋に移動し、水指の蓋を右左と二手で開け、左側に立てかける。水を釜に一杓、柄杓を預け、帛紗腰。

28、茶碗が客より返るのを待つ。

●  正客は、末客より茶を喫み茶碗を下に置いた時、「お茶碗の拝見を」 と請う。
●  末客はこれを受け、喫口を清めてから正客の前に持って出る。
●  正客は、次礼をして茶碗の拝見をする。
  末客が拝見を終わると、正客との出会いで、正客に返し、正客は正面を正し、出された位置に返す。


29、亭主は、茶碗を右手でとり、左手で扱って右手で膝前に置き、主客総礼をする。
30、柄杓をとって湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を置く。
31、茶碗をすすいで建水に湯を捨て、茶碗を右手で膝前に置き、お仕舞いの挨拶をする。
「お仕舞いいたします」


32、柄杓で水を汲み茶碗に入れ、釜にあずける。

33、しまいの茶筅通しをし、茶筅を元の位置に戻し、右手で茶碗を取り、左手に持ち替えて水を建水に捨てる。

34、茶巾を右手で取り、茶碗に入れ、右手で膝前に置き、茶筅を入れる。

35、その右手で茶杓を取り、建水を左手で引き、その手で腰の帛紗を取り、茶杓を握り込んで帛紗を捌く。

36、茶杓を拭いて、茶碗にふせて置き、帛紗を建水の上で払い、腰につける。

37、茶入を古帛紗にのせたまま、水指の前右よりに置きかえて、茶碗を右左の二手でに茶入と置き合わせる。

39、柄杓を取り、水を一杓汲み釜へさし、柄杓をかまえ、釜の蓋を右手で閉め、柄杓を蓋置の上に引く。

40、水指の蓋を右左の二手で閉める。
■  正客より「茶入、茶杓、仕覆、拝見」 があればこれを受ける。

41、柄杓を右手で取り、左手に持ち替えて、建水にたたみ、右手で蓋置きを取り、左手に持たせ、建水のうしろに置く。

42、茶碗を右一手で勝手付きに割り付ける。

43、茶入を古帛紗にのせたまま、両手で持って取り、客付きに回り、膝前に置く。

44、帛紗を捌いて、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を茶入の胴で拡げ、胴拭きをし、

45、帛紗を古帛紗の右のほうに置き、蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こう畳の上に置き、 帛紗で茶入の口を向こう手前と拭く。

46、帛紗を下に置き、その手で茶入れの蓋を取り閉める。


47、茶入を右手に持ち替えて古帛紗の上に置く。

48、茶入を古帛紗にのせたまま、両手で古帛紗を右向こう左手前と回して、正面を正し定座に出す。

49、帛紗を腰につけ、正面に戻り、茶杓を右手で取り、左手に渡し、客付きに回り、茶入れの右に置く。

50、居前に戻り、仕覆を左手で取り、右手で左掌にのせ客付きに回り、茶杓の右に置き合わせる。


51、正面に戻り、柄杓、蓋置を右手に持たせ、左手で建水を持って立ち、茶道口さがって坐り、建水を膝前中央に置き、蓋置を左手で建水の右横に置き、柄杓を左手で扱い、右手で建水の上に置き、襖を開け、水屋にさがる。

●  正客は、亭主が建水を引くと、茶入(古帛紗にのせたまま)茶杓、仕覆の順に引き、まず、茶入を右膝横に置き、茶杓をその右横に置き、仕覆を右手で打ちかえして、茶杓の右横に置いて、茶道口の閉まるのを待つ。

52、亭主はつぎに右手で茶碗を取り左掌にのせ、右手を添えて両手で持ちさがる。

53、つづいて水指を持ちさがり、茶道口に坐り、水指を膝前に置いて襖を閉め、拝見物の返るのを待つ。

●  正客は亭主が水屋にさがると次礼をし、茶入、茶杓、仕覆の順に拝見をする。この時、茶入を古帛紗から離さない
   次客は三客に次礼して正客につづき拝見する。
   末客は、茶入、茶杓、仕覆の拝見がすむと、仕覆を右手で打ちかえし(親指を底にあてくるりと回す)、茶杓の左に置き、正客との出会いで返す。(緒の向きは必ず道具側に返す)
● 正客はいったんあらためて、茶入、茶杓、仕覆の順で出された反対に返す。

54、 亭主は茶道口に坐り襖を開け、道具正面に座る。
● 正客はまず「茶入の由緒」 をたずねる。

55、 亭主はその由来を答える。つづいて、茶入の形、窯元、茶杓、仕覆の問いに答え、一礼する。

56、 挨拶が終ると、仕覆、茶杓と左手に持たせ、茶入を縁内膝前に取り込み、 古帛紗を二つに折って、そのまま懐中してから、茶入を右手で持って立ち、茶道口に持ち帰る。坐って茶入、茶杓、仕覆の順に建て付けに置き、主客総礼をして襖を閉める。