2014年5月14日水曜日

風炉 続き薄

2014年5月13日(火)
2017年10月24日(火) 中置(五行棚)

■お花 
八角蓮(はっかくれん)

二人静(ふたりしずか)

■ 「続き薄」のお点前とは

一会の茶事では、濃茶、後炭、薄茶の順序で行なわれますが、連客中に帰りを急ぐとか、亭主側の方で特別な趣向があって、時間を短縮したいような場合には、後炭を略して、濃茶の後半から直ぐに薄茶点前にかかることを【続き薄茶】といいます。
ただし、茶事の中でも、朝茶事、夜咄などは続き薄茶が約束になっています。

■ 吉野棚

圓能斎好
吉野太夫が好んだ二畳の席の吉野窓から意匠された小棚。
四本柱には吉野丸太のごく細いものを面皮付で用い、
客付は円窓を袴抜き、
勝手付は冬は障子、夏は葭をはめる。
勝手柱に竹釘が打ってある。







■ 準備
・濃茶椀に茶巾・茶筅・茶杓を仕組む。薄茶椀を用意しておく。
・主菓子と干菓子。

棚下段に水指し、棗を上段に、茶入れを正面に飾ってお迎えつけ「どうぞお入りを」ふすまを閉める。

お菓子を運ぶ:主客の前に置きがって立ち退室「どうぞお取り回しを」ふすまを閉める。

客:菓子盆を取り一礼、置き、次客に「お先」点主に「頂戴致します」懐紙をだし膝前に置きお菓子を取り置く。次客との間にお盆を置く。いただく。

■ 点前

◆◆◆ 前半は濃茶 ◆◆◆ 

膝前に茶碗を置き、ふすまを開ける。
茶碗(茶碗に茶巾・茶筅・茶杓納める)を持ち運び、茶碗左1手で勝手つきに置く。
置き合わせ(茶入れ水指しの右前、茶碗右横を取り、左横、右手前で水指しの左前)
建水(中に蓋置き、上に柄杓ふせる)持って入り、ふすまを閉める。

点前に座り(正面)、建水置く。

柄杓構えて蓋置きを敷板の出ず入らずに出し、
柄杓置き(カツンポトン)、総礼。
建水くりあげる。
 
置きあわせ(茶碗ー右手前・左横・右横で膝前、茶入れ右で取り茶碗の下に置く)

お仕覆の紐をほどき横向きに置き直し手の平におき右左と口を切り茶入れを取り出し置く。
お仕覆は(右手で右横を持ち、ひっくり返 さずに)輪を棚のかけ釘にかける。

人差し指を入れ、帛紗さばき(草の四方さばき-六方さばき)、
茶入れをふき(蓋二引き胴2回回し拭き)、水指前左側に置く。

帛紗さばき直し、茶杓拭き、茶入れの上に置く。
その横に茶筅出し置き、
帛紗で水指蓋を清め、茶巾を水指しの蓋の上に出し置き、
茶碗下げる。

帛紗を指に挟んで柄杓構えて、釜の蓋あける。

帛紗は左横に下げて置く。

湯をくみ、置き柄杓。
茶筅通し(コン、見上げてコン、2回、いりのしで抜く)

湯を捨て、茶巾取り、茶巾で拭く(3回半)。
茶碗置き、茶巾を釜の蓋の上に置く。

茶杓持って左で茶入れを取り、
茶杓を握りこんで蓋を取り茶碗の右横に置き
茶をくみ(3杓くみ出し、茶杓茶碗に仮置きし、回しだし)
茶入れの口を向こう、手前とふき、蓋をして置く。

茶をさばき茶碗の縁でコン(音は立てない)。茶杓を置く。

水指の蓋を三手で開ける(つまみ、8時、10時)。

柄杓を取り、湯をくみ、切柄杓。
茶筅で練る。
茶筅左にもたせて湯をくみ茶筅をまわしながら湯を入れゆるめる。出す。

お客:取り込み、一礼、少しまわして(正面を避ける)いただく。

一口で「おふく加減は?」
客:「結構でございます」

客付に回る。茶名のやり取り。

客:茶を1口残し左茶碗を膝前に置き、「ただいまのお茶名は?」
点主:「きうんでございます」
客:「おつめは?」
点主:「小山園でございます」
客:「先程は結構なお菓子をありがとうございました」お茶を飲み切る。
飲み終わったら膝前に置く。正客「お茶碗の拝見を」

飲みきりの音で、点前に戻り、

水1杓くみ、引き柄杓。
帛紗を腰につける。

客:茶碗を返す。
茶碗取り込み総礼。

湯をくみ捨てる。
「勝手ながら、薄茶を一服差し上げます。」点主一礼。

茶碗に茶巾納め、茶筅入れ、右手に茶碗受けて持ち 左手に建水を持ってさがる。
水屋で、建水をきれいにして、薄茶茶碗を用意する。

◆◆◆ ここから薄茶 ◆◆◆

ふすま開けたままで、お菓子を運び、一礼。

右手に茶碗受けて持ち、左手に建水を持って入り、ふすまは開けたまま。
点前に座る。

建水は引いた位置に。
茶碗を膝前に置き、その下に棚の棗を右手で取りおき、帛紗さばいて清める。

棗を建水の右肩に置く。

茶筅だし、茶碗下げて、茶巾釜の蓋の上に置く。

湯をくみ、茶筅通し(コツン、サラサラ、のの字)茶碗ふき、茶杓持って「お菓子をどうぞ」

お茶をたて出す。

主客:取り込み、次客へゆずる。「都合でお先にどうぞ」
次客:「お先に」
主客:「先のお茶入れ、お仕覆拝見を

茶杓を水指の右に仮置き。

茶入れを膝前に置き、建水右肩の棗を左手でとり茶入れのあったところに置き換える。
茶杓を棗の上に置く。

茶入れ持って客付へ向く。
帛紗をさばき清める(蓋を拭いたらふくさ置いて蓋を取り縁を拭く。蓋をして茶入れを出す。

帛紗を腰につけ点前に戻る。
右手でかけ釘のお仕覆をとり、左手に乗せ、客付に回って出す。

主客:茶入れ、お仕覆とりこみ、右膝におく。
次客:茶碗返す
茶碗取り込み湯を入れ捨て、ふいて、主客の分を点てて出す。
茶碗かえったら、とりこみ湯をいれ捨てる。

主客:「どうぞおしまいを」
点主:「おしまいいたします」

水1杓入れ茶筅通し(サラサラ、コツン、1回見上げのの字)。
茶巾おさめ、茶筅納め、茶杓持ち建水を下げる。

茶杓ふき、茶碗にふせ、 中仕舞。
(建水の上で帛紗を払い、茶碗を左膝頭、棗を右膝に置く。)

釜に水1杓入れ湯返しし、釜の蓋閉める。

柄杓蓋置きに置き、水指しの蓋閉める。

客:「お茶杓、おなつめ、拝見を」(茶杓を先に言う!

柄杓を建水にふせて、蓋置きを右手左手で建水の手前に。

茶杓持ち、点前から出し正面へ戻る。

茶碗を右一手で勝手つきに割り、棗を持って客付へ向く。
帛紗さばき清めて、出す。

正面へ戻り、柄杓を棚のかけ釘に、蓋置きを柄杓の柄の下に飾る。

建水を持って退室。

主客:茶杓、棗とりこむ。

茶碗持ってさがる。

水注ぎ持って入り、棚から水指を全部出し、蓋を2手で開け、左横に立てかける。
水を注ぎ、水指の蓋を閉め、水指を元の位置に戻す。

退室し、ふすまを閉める。

客:道具拝見(茶入れー縁外に置き、一礼、蓋をとって中をを拝見、
一礼して縁内の客との間に置く。茶杓ー縁外に置き一礼、拝見。縁内の次客との間に置く。おしふくー縁外に置き一礼、拝見。次客との間に置く。主客と次客が出合いでお道具を返す。

左から茶入・茶杓・仕覆・棗。

ふすまを開けて入室。客つき正面へ座る。
主客:「お茶入れのお形は?」
点主:「かたつき」
主客:「お窯元は?」
点主:「丹波」
主客:「お茶杓のお作は?」
点主:「玄々斎」
主客:「ご名は?」
点主:「緑陰・一声・落とし文」
主客:「おしふくのお布地は?」
点主:「弥左衛門かんど」
主客:「お棗のお塗りは?」
点主:「宗哲」
客:「ありがとうございました」

棗だけ持ち正面向き、棚の上に飾る。

客付に戻り、右手でお仕覆の底を持ち左手にのせ、お茶杓のせ、右で茶入を持ちさがる。
(かざらない場合、左手に おしふく、その上に茶入れをのせ親指で肩をおさえ、右手で茶杓握りこんでなつめを持つ)

柱つきに茶入、茶杓、お仕覆を置き、総礼。ふすま閉める。

2 件のコメント:

  1. まとまっていてきれいですね。ありがとうございました。

    返信削除
  2. 大変参考になりました。
    有難うございました。

    返信削除