2024年11月30日土曜日

灰形講習会⑩最終回 二文字押切・火入れの灰・巴半田 淡交社 

灰形講習会⑩最終回
【 二文字押切(にもんじおしきり)】

・右利きの人は右側が高くなりがち。左右の高さに注意!
・前瓦は真上から五徳の間に入れる。奥へ傾かないように
・二文字は、手前の方が奥より高い。奥の山は五徳の後面

【火入れ灰】

①風炉灰を7分目入れ、富士山形に羽根や灰匙や火箸で整え、炭を左に傾けて中央に挿す。
(中央に挿してから左に倒すと、中心がズレるので傾けた状態で挿すように)
②左手の掌に火入れを乗せ、右手で火箸を1本持ち、真っ直ぐ向こうに置いて線をつける
(角のある火入れの場合は、角に線を先に)

たくさんの種類の火入れ

巴半田(ともえはんだ)と筋半田(すじはんだ)】七事式の「廻り炭の式」で使用 


底取り左:利休型と言われている風炉用で真っ直ぐ
底取り右:千家十職 七代中川浄益作 反りがある
(なかがわじょうえき)

<準備>
・巴半田(素焼き)は、炉灰を入れる。
  灰を火箸で崩して柔らかくしてから、底取りを手前から一周し、
  前から中央へ押し込むように回して立体的な巴の形に。
  底取りに溜まった灰は最後の巴の端に落とす。巴と渦は、水を表す。
・筋半田(釉薬)は、炉灰の上に湿し灰を乗せて、火箸で横線を7本いれる
 三本足の半田、炉縁を傷つけないように、左側縦に足2個が来るように置く。

<順番に炭手前>
・亭主は炭台を点前畳の客付へ置いた後、巴半田を持ち出し炭と残り火を巴半田に上げる。
 炉中を整えて下火を埋め、巴半田を持って水屋へ。
 灰を撒き、中掃き、香を埋め、炭台の炭をつぎ、筋半田を持ち出す。
・正客は亭主がついだ炭を筋半田に上げ、炭をついで末座に座る。二三四客も同様。
・亭主は炭を上げ、下火を掘り起こし、灰を撒いて片掃きし、炭をつぐ。




北見宗樹先生




2024年11月20日水曜日

荘り物 四種の違い

裏千家 小習事 荘(かざり)物四種(炉)

  荘物「茶入荘」「茶碗荘」「茶杓荘」「茶筅荘」

共通点

①濃茶 荘り付け
 ・目上の人、又は当日の客から頂いた道具を用いる場合などに行う点前
 ・棚は使わない
 ・水指は塗り蓋がよい。茶杓が湿らないように。
 ・点前座の水指の蓋の上に茶巾茶筅茶杓を乗せ
  水指前に茶入を入れた茶碗を荘る①
 建水と柄杓を左側(見えない位置)に置いて茶道口に座り、襖を開けて総礼
 ・外隅狙いに座る
 ・水指から茶筅置き合わせたら帛紗挟んで、柄杓構えて釜の蓋を開ける【※濃茶

  茶碗に湯を注ぎ、茶筅を入れてコツン。その後茶碗を両手で引き、茶筅通し
 ・本仕舞
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②薄茶 荘り付け
 ※薄茶の場合(茶碗荘・茶筅荘のみ)
 
茶碗に八つ折の帛紗をわさを右に、手前に少し出して、
  その上に棗を仕組んで水指前に荘り付けておく②


 ・水指上の茶筅は棗と置き合わせずに先に湯を入れて「使い取り」

この後 釜の蓋、湯、茶筅、茶碗引いて茶筅通
 
 ・茶椀の出し方は濃茶と同様 客付で
   膝前で茶碗を両手で回し③
   両手で古帛紗に乗せ膝退膝行する
 ・茶碗が返されると客付に向いて由緒を問答
  ③膝前で茶碗を両手で回す
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四種類の異なる点


茶入荘茶杓荘茶碗荘茶筅荘
濃茶/薄茶濃茶のみ濃茶・薄茶※
茶事の初座で 紫の帛紗に乗せて床に荘るか仕覆に入れて 
広げた帛紗上に
竹筒に入れ二つ折りの帛紗上に御物袋に入れて
広げた帛紗上に
かざらない
点前の注意点
仕覆を脱がせたら古帛紗を出す④拝見の際 
二つ折り古帛紗に乗せて出す
茶碗は両手で扱う(拝見を請われてからは片手で)
初座にはなかったが水指に荘られているので、柄杓を蓋置に置いて総礼後に正客は道具の由緒を聞く「茶筅荘とお見受けしますが、ご由緒は」
拝見で清める際 帛紗は古帛紗の横蓋は帛紗の上⑤  古帛紗に乗せて回して出す
茶碗を両手で持ち客付で膝前に置き下で回す。古帛紗を出し茶碗を出す
膝退・膝行あり③
由緒を聞く時拝見の時茶碗が返った時最初の総礼の後
拝見物の出し方



 
 茶碗荘(客付から茶を出す~由緒を問答する)
  • 茶碗を手の上に乗せて客付へ向く
  • 膝前に茶碗を置き古帛紗を左手の上に
  • 古帛紗を置いて広げ、茶碗を両手で回し、乗せる
  • 下がって控える(客が取り込むと前に出る)
  • 客付にむいたまま服加減を聞く
  • 客付で茶銘・詰の問答
  • 客の吸い切りで居前へ戻り、水を差す
  • 茶碗が返されると客付向いて由緒を問答
 
 茶入荘 古帛紗に茶入を乗せる
 
④仕覆を脱がせた後、
古帛紗を茶入れの位置に広げてから茶入れを清め、
茶杓を清め、茶筅を置き合わせる
茶杓を清めた後、茶碗に置き、
茶入を古帛紗ごと水指前に移動させ、
茶碗を置き合わせる

水を釜に注ぎ、釜の蓋、水指の蓋を閉め、
「お道具の拝見を」
右手で茶碗を勝手付に
⑤客付で茶入れの口を清める時
古帛紗の横に帛紗と蓋を置く