2017年7月11日 名水点は、濃茶のみ
特殊点前…名水点 めいすいだて
「葉蓋」「洗い茶巾」など、名水点も特殊点前の一つ。
名水を茶の湯に使用することは、昔から盛んに行われている。
名水点は、濃茶がふさわしい。
茶事など、薄茶になる時はシメを外して部屋に入るが、
名水点は夏が多く、夏はほぼ朝茶事。
朝茶事は「続き薄※」が殆どなので、シメを張ったままでも構わない。
事前の点前座の準備
客が席入りする前の事前の荘りつけは、風炉の横に水指の釣瓶(つるべ)を据え、その前に通常の濃茶点前同様に茶入を荘り、迎付け。
建水に竹の蓋置と柄杓を用意。
名水の所望
点前が始まり、茶碗、建水を運び出し、柄杓を蓋置の上に引いて総礼。
正客:「名水点とお見受けしますが、お水を頂きたく存じます」と所望。
これを受けて茶入、茶杓等を清め、茶筅を出す。
茶巾を水指の左側(釜側)の蓋に乗せ、両手でその蓋を引き、右側の蓋に重ね、
柄杓で水を汲んで茶碗に入れ、客に水を勧める。
正客は、茶通箱の二椀目に準じて次客に次礼をして名水を頂く。
連客が順次水を飲み回している間に、正客は頃合を見計らって名水の由来などを聞く。
「梨の木神社の名水でございます」
末客が茶碗を返す。
茶碗、茶入の置き合せ
水の飲み回しが終わると、茶碗に湯を入れて流し、もう一度湯を入れて茶筅通しをし、以下は普通の濃茶点前と変わりはない。
置き合わせは、中仕舞い。
※ 続き薄の最後 柄杓蓋置を飾って帰るけれど「湯返し」は無し
湯返しは、柄杓を飾るからではなく、水指を運ぶかどうか。
竹の蓋置も同様。棚の時は竹以外と言うが、棚の有無ではなく、水指が畳に直置きしてあるかどうか。但し例外はあり、長板の二つ置き(風炉と水指)は竹。
---------------------------------
【京の名水】2⃣と3⃣は枯れている
1⃣ 染井の水(そめい)/梨木神社(なしのきじんじゃ)
2⃣ 左女牛井の水(醒ヶ井さめがい)/六条堀川に石標。 村田珠光・千利休が愛用。
名水点は、神社などの御神水や、各地にある名水を朝に汲んできて茶の湯に用いる。
御客様に名水であることを示すために、水指にシメ飾りをしておく。
水指は、以前は様々なつるべが使用されていたが、最近は木地の釣瓶を使用。
事前に水で十分に湿しておき、シメを張る。
数日前からつるべを水に浸すと木目に沿って現れる和釘(利休釘)の錆に風情がある、と言われたが、近日の釘は錆が出ないものが多い。

シメの張り方
シメ縄には、神事用の左綯(な)いの縄を使用。緑色の縄が理想。
縄は雲、紙垂(しだ)は雷を意味し、古来豊作を祈って飾られてきた。
シメの張り方は、前後二つ、両横一つずつの紙垂(御幣ごへい)を付けて、勝手付き向こうの角で結ぶ(男結び おとこむすび)。