2213年7月16日金曜日

裏千家 お点前一覧

【 小 習 】

裏千家では前八ヶ条・後八ヶ条の16条としている。

前八ヶ条は貴人点・貴人清次・茶入荘・茶碗荘・茶杓荘・茶筅荘・長緒茶入・重茶碗、
後八ヶ条は包帛紗・壺荘・炭所望・花所望・入子点・盆香合・軸荘・大津袋である。

   前八ヶ条の荘物(かざりもの)4種について

前後の区別は14代無限斎(淡々斎)からのものである。
なお「飾」を「荘」と表記する慣習があり、これは仏教の荘厳(しょうごん)に由来する。


小習 風炉
濃 茶 薄 茶 濃 茶 薄 茶
前八ヶ条 平点前 平点前 平点前 平点前
貴人点 貴人点 貴人点 貴人点
貴人清次 貴人清次 貴人清次 貴人清次
茶入荘
茶入荘
茶筅荘
茶筅荘
茶杓荘
茶杓荘
茶碗荘
茶碗荘 茶碗荘
長緒茶入
長緒茶入
重茶碗 重茶碗 重茶碗 重茶碗
後八ヶ条 包帛紗
包帛紗
壺荘 壺荘 壺荘 壺荘
炭所望 炭所望 炭所望 炭所望
花所望 花所望 花所望 花所望
入子点 入子点 入子点 入子点
盆香合 盆香合 盆香合 盆香合
軸荘 軸荘 軸荘 軸荘
大津袋
大津袋

【特殊点前】
特殊点前 風炉
濃 茶 薄 茶 濃 茶 薄 茶

逆勝手 逆勝手 逆勝手 大炉

洗い茶巾


葉蓋

名水点



流し点
流し点
小板中置き 小板中置き

大板中置き 大板中置き

続き薄茶 続き薄茶

【立礼】
御園棚


【炭手前】
風炉
初炭手前初炭手前
後炭手前後炭手前




【茶箱】

茶箱風炉
濃 茶薄 茶


卯の花







和敬

色紙


11代玄々斎が卯の花・雪・月・花の点前を創案され、
14代淡々斎が和敬・色紙の点前を加えられた。

茶箱、茶籠の類は利休時代から茶人の旅持ちとしていろいろな形で好まれたり、また他の品を応用して使われていた。

茶碗、茶器、茶杓を袋に入れて茶箱を盆にのせてする「花」の点前、
同じく器据(きずえ)にのせてする「月」の点前、
掛合(かけご)でもってするのを「雪」の点前として雪、月、花の三か条の手続きが出来た。

その後この茶器の袋をはずして茶箱を盆にのせて点てる最も簡素な手続きが考案されて「卯の花」と名づけられた。

● 茶箱点前は、雪、月、花、卯の花の四季四様がある。

1 卯の花点前  うのはな 「卯の花点前」は、夏の季、茶箱の平点前といえるもの。

2 雪点前  ゆき 「雪点前」は,冬の季、伝物点前、盆を使わず、掛合を用いる。

3 月点前 つき 「月点前」は秋の季伝物点前、器据※とウグイスを使い独特の雅趣がある。

4 花点前 はな 「花点前」は,春の季、伝物点前、掛合がなく盆を使用する。

5 和敬点 わけいだて「和敬点」は道具も簡略にし茶箱の内で最も取組み易い。薄板を用いる。

6 色紙点 しきしだて 「色紙点」と,御所篭を用いた点前、茶巾箱と四枚の古帛紗を使う。

 ※月点前の器据の紐について

【四ケ伝】

̪̪四ケ伝 風炉
濃 茶 薄 茶 濃 茶 薄 茶

茶通箱
茶通箱
唐物
唐物
台天目
台天目
盆点
盆点
和巾点
和巾点

【奥伝】
【七事式】
  • 花月(かげつ)
  • 且座(さざ)
  • 員茶(かずちゃ)
  • 茶カブキ(ちゃかぶき)
  • 一二三(いちにさん)
  • 廻り花(まわりばな)
  • 廻り炭(まわりずみ)

【水屋】

 ・灰形講習会 風炉灰①

2024年11月20日水曜日

荘り物 四種の違い

裏千家 小習事 荘(かざり)物四種(炉)

  荘物「茶入荘」「茶碗荘」「茶杓荘」「茶筅荘」

共通点

①濃茶 荘り付け
 ・目上の人、又は当日の客から頂いた道具を用いる場合などに行う点前
 ・棚は使わない
 ・水指は塗り蓋がよい。茶杓が湿らないように。
 ・点前座の水指の蓋の上に茶巾茶筅茶杓を乗せ
  水指前に茶入を入れた茶碗を荘る①
 建水と柄杓を左側(見えない位置)に置いて茶道口に座り、襖を開けて総礼
 ・外隅狙いに座る
 ・水指から茶筅置き合わせたら帛紗挟んで、柄杓構えて釜の蓋を開ける【※濃茶

  茶碗に湯を注ぎ、茶筅を入れてコツン。その後茶碗を両手で引き、茶筅通し
 ・本仕舞
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②薄茶 荘り付け
 ※薄茶の場合(茶碗荘・茶筅荘のみ)
 
茶碗に八つ折の帛紗をわさを右に、手前に少し出して、
  その上に棗を仕組んで水指前に荘り付けておく②


 ・水指上の茶筅は棗と置き合わせずに先に湯を入れて「使い取り」

この後 釜の蓋、湯、茶筅、茶碗引いて茶筅通
 
 ・茶椀の出し方は濃茶と同様 客付で
   膝前で茶碗を両手で回し③
   両手で古帛紗に乗せ膝退膝行する
 ・茶碗が返されると客付に向いて由緒を問答
  ③膝前で茶碗を両手で回す
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四種類の異なる点


茶入荘茶杓荘茶碗荘茶筅荘
濃茶/薄茶濃茶のみ濃茶・薄茶※
茶事の初座で 紫の帛紗に乗せて床に荘るか仕覆に入れて 
広げた帛紗上に
竹筒に入れ二つ折りの帛紗上に御物袋に入れて
広げた帛紗上に
かざらない
点前の注意点
仕覆を脱がせたら古帛紗を出す④拝見の際 
二つ折り古帛紗に乗せて出す
茶碗は両手で扱う(拝見を請われてからは片手で)
初座にはなかったが水指に荘られているので、柄杓を蓋置に置いて総礼後に正客は道具の由緒を聞く「茶筅荘とお見受けしますが、ご由緒は」
拝見で清める際 帛紗は古帛紗の横蓋は帛紗の上⑤  古帛紗に乗せて回して出す
茶碗を両手で持ち客付で膝前に置き下で回す。古帛紗を出し茶碗を出す
膝退・膝行あり③
由緒を聞く時拝見の時茶碗が返った時最初の総礼の後
拝見物の出し方



 
 茶碗荘(客付から茶を出す~由緒を問答する)
  • 茶碗を手の上に乗せて客付へ向く
  • 膝前に茶碗を置き古帛紗を左手の上に
  • 古帛紗を置いて広げ、茶碗を両手で回し、乗せる
  • 下がって控える(客が取り込むと前に出る)
  • 客付にむいたまま服加減を聞く
  • 客付で茶銘・詰の問答
  • 客の吸い切りで居前へ戻り、水を差す
  • 茶碗が返されると客付向いて由緒を問答
 
 茶入荘 古帛紗に茶入を乗せる
 
④仕覆を脱がせた後、
古帛紗を茶入れの位置に広げてから茶入れを清め、
茶杓を清め、茶筅を置き合わせる
茶杓を清めた後、茶碗に置き、
茶入を古帛紗ごと水指前に移動させ、
茶碗を置き合わせる

水を釜に注ぎ、釜の蓋、水指の蓋を閉め、
「お道具の拝見を」
右手で茶碗を勝手付に
⑤客付で茶入れの口を清める時
古帛紗の横に帛紗と蓋を置く
 

2024年9月14日土曜日

茶箱 木据の紐の通し方

 2024年9月 茶箱の月点前で使用する木据の紐が途中で切れてしまったので修理に挑戦


【6箇所の穴の紐】左穴に入った紐が上から右穴に入り、再度左穴に上から入り、右穴の下から出ている



【右側の木据の裏側】上の紐🟩が裏の下の穴に入り、表側で下の紐に結び、再度同じ穴から裏に戻り、下の紐🟦と2本まとめて上の紐に絡めて結んである


【木据の裏側から見た紐】


2024年4月16日火曜日

八千代棚

八千代棚(やちよだな)は、桐材紅溜塗の四方箱で、倹飩(けんどん)の前戸は鳥の子張りに金砂子が霞に撒いてあり、縁は桐木地、銀の七宝座の摘みが付き、箱の両側の上部に七宝透しがある箪笥。

八千代棚は、淡々斎(たんたんさい)が
利休好みの旅箪笥をもとにして好まれた棚。

八千代棚は、本歌には淡々斎の嘉代子夫人の筆で『古今和歌集』の「我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」の小色紙が張ってあることろからこの名がある。

八千代棚は、七宝透しの内側に入っている二枚の桐木地の板を引き出して芝点を行うこともできる。斜めに置き棗と茶筅、膝前に縦に置き茶碗。

八千代棚は、炉・風炉ともに用いるが、風炉は棚に隠れてしまうので炉の時期3月4月に使われることが多い。 

八千代棚の中には、棗・水指・柄杓・蓋置が仕込まれているので、持ち運ぶのは、茶碗と空の建水のみ。
水次を用意する。


【お点前】

茶碗で挨拶をして入り、

棚に向かって真っすぐ座り、

茶碗は勝手付に置いて、棚の扉を開ける。
(右手の人差し指と中指で取っ手をつまみ、扉の左下辺りを左手の掌で添えるように抑え、少し上に押し上げ、傾けて手前に引いて外し、右手で左上を持ち、両手で棚の左側に1センチくらい出して立てかける。)

柄杓を取り出し棚の上に上向きに斜めに仮置きし、

蓋置きを取り出し、棚上左手前に仮置きをする。(仕舞いの飾る状態)

水指を棚のギリギリ前まで出す。

棗を出し、棚前右に置き、茶碗をその左隣に置き合わせる。


次に空の建水だけを持って入り、襖を閉め、居前に座る。
建水はいつもより少し上に置く。

棚上の蓋置きを取り、扱って畳3目3目に置き、柄杓を蓋置の上に置く。

その後はいつもと同じ。


水指の蓋を閉め「お棗お茶杓の拝見を」を受け、柄杓を棚の上に仮置き、蓋置を左手に乗せて棚正面に向かい棚左手前に蓋置を仮置く。

茶碗を勝手付に仮置きし、棗を持って客付に回り清めて出す。居前に戻り茶杓を取って出す。

建水を持って下がる。茶碗を持って下がる。

水次を持って入り、水指に水を注ぎ、水指を奥に戻し、水次を持って下がり、襖を閉める。

拝見の後、棗を左手に茶杓を右手に持ち棚に向かい、茶杓を棚の右上に仮置きし、棗を中棚に置く。

棚上から柄杓を取り棚の中に斜めに立てて置く。蓋置を地板の左下に置く。

棚の扉を右手上、左手下で持ち上げ、取っ手を持ち扉を閉める。

茶杓を持って勝手口に下がる。

終わり


2024年2月17日土曜日

淡交社 灰形講習会①釜合わせ

 淡交社 灰形講習会 第1回 釜合わせ



風炉に入れた奉書紙の上に底瓦と五徳と灰と釜を乗せ、風炉の側面と釜の羽落の高さと傾きを灰でミリ単位に調整します。




五徳の位置が定った後に前瓦を五徳の間に垂直に差し、釜の底より指一本分隙間を空けます。




ご指導の後にお茶を頂戴しました。

今日のお菓子は鶴屋吉信の「雛つぼみ」


2023年3月7日火曜日

釣釜 炭点前

釣釜の炭点前 2023年3月7日



 炭斗(中央に胴炭、左に火箸、その左に羽根(広い方が左)右奥に枝炭)
火箸は熱くないように持ち手に木を使用したもの。
釜敷は輪を奥にして体に一番近い懐へ
(風炉の時は、羽根は広い方が右。釜敷は輪が外)

炭斗を勝手付に置き総礼

炉の右側の畳中央に置く

立って退室
灰器を灰匙の向こうを右手で持って入り、襖を閉める

炉の前まで歩き、右回りに炭斗に向かって座り、

畳の右角に左右と持ち替えて灰器を置く


炉正面に向き、右手で羽根を取り、炭斗と炉縁の間へ置く
火箸を取り、羽根の右横へ置く

香合を取り、扱って炭斗の前の縁内へ置く

帛紗を捌き、釜の蓋を閉める。腰につける

右左と膝行し、弦を左手で下から支え、

右手で鎖を3目上にあげる。これを「小あげ」という。

右手で懐の釜敷をつまみ、下から持って出し、左手で畳の定座に置く

右手で右の鐶を持ち、左手で釜の弦を上から握りこむようにもって、

左手の親指でカギを押し外しながら釜を持ち上げ、

釜敷に置く 釜敷ごと釜を畳中央へ


弦を左手で持ち右の鐶を外し釜にもたせ掛け、弦を右手に持ち替えて、

左手で左の環を弦から外し釜にもたせ掛ける

弦を左手で勝手付の壁に立てかける

(棚が無いときは畳に寝かせ、その中に環を置く)

環を両手でもって、釜を釜敷ごと畳中央まで引く

環を両手で外し、合わせて繋ぎ目を左手で持ち、環付の左下に置く

釜を上げた後、炉正面に回って、左手で鉤を受け、

右手で鎖を5目上げる。頭をぶつけないように。これを「大あげ」という

炉縁横の羽根を右手で取り、羽根の狭い方で■初掃き
羽根を手前の畳に斜めに手なりに置く



右手で畳の火箸を取り、膝前で付き、手前の下炭を向こうへ移動する

火箸を膝前で付いて炭斗へ入れる
そのまま両手で炭斗を斜め右奥へ移動

斜めに座り、右手で灰器を取り、炉正面へ向き直り、

炉縁の横へ灰器を両手で置く

右奥の灰を灰匙で掬い、

炉の向こう正面の灰の高い所から灰を5回撒く 



灰器の灰を左半分にまとめ、灰匙を中央に置き、

灰器を灰匙の右を持って斜めに回り、畳の右角に置く

炉正面に戻り、■中履き、手なりに置く

炭斗を畳中央に戻し、右手で火箸を取り左手に預けて、

右手で胴炭を取って炉に置く。

汚れた手を懐紙で拭き、火箸を扱い、膝前で付き

①炭斗の左上の丸ぎっちょを、炉の左手前から置いていく
②割ぎっちょを皮を①に合わせて置き、③丸ぎっちょも置く
④管炭と⑤割管炭を2本まとめて箸で取り、左横に立てかける
⑥枝炭1本を取り、管炭に沿わせて置く,
⑦留炭を取ると、正客から「お先に」と自席へ戻る

火箸を膝前で付き、炭斗に戻す

羽根を取り、■後掃き、炭斗に戻す。

香合を取り、蓋を基の位置に置き、火箸を取り、

膝前で付いて管炭の下へ練香を置く。火が起きやすく、客に近いから。

 


正客「香合の拝見を」を受け、正面を正して、

羽根が置いてあった場所の羽根の先の位置へ香合を出す。

釜をかける前に、左手で鉤を受け、右手で鎖を5目下げる。

これを「大さげ」という

釜の方に向いて釜に鐶かけて釜敷ごと引き、弦をかけて、

体を炉正面に向き、鉤に釜をかけ、

釜敷を炭斗の上でポン、懐に入れ、左手で下から弦を受けてもち、

右手で3目下げて(「小さげ」)釜をかける

両手で環と弦を押さえて、釜の揺れを収める

左右と膝退し、羽根を取り、釜の蓋をアの字に清め、

帛紗を捌いて釜の蓋を切る

帛紗を腰につける

斜めに向き、灰器を持ち、退室。

炭斗正面に座り、持って退室。膝前に置き襖を閉める。

襖を開け、香合の前に座り、問答。
(香合はフキノトウ、お香は梅ヶ香、松栄堂)

右手で香合を取り、左手に乗せ退室。勝手付に置き総礼。

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2022年5月15日日曜日

茶室の禅語

 

「清閑一日楽」

(セイカン イチジツノ ラク)

心に欲もなく質素で慎みのある日々を送る喜びは何ものにも代え難い心の贅沢です。

花:山芍薬 花器:桂籠

2022年5月14日